寒い冬に「熱中症」?
「熱中症=夏」と思う方が大半のはず。改めてご説明すると、熱中症とは、暑さに体が適応できずに起こる諸症状の総称。簡単に言えば、高くなった体温に体が耐えられなくて起こる、さまざまな症状のことです。
厚生労働省の「熱中症診療ガイドライン2015」によると、熱中症はその重症度で大きく3つに分類されます。
厚生労働省の「熱中症診療ガイドライン2015」によると、熱中症はその重症度で大きく3つに分類されます。
【I度】
めまい・失神、筋肉痛・筋肉の硬直、手足のしびれ・気分の不快
【II度】
頭痛・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感
【III度】
【II度】の症状に加え、意識障害・けいれん・手足の運動障害、高体温、肝機能異常、腎機能障害、血液凝固障害
めまい・失神、筋肉痛・筋肉の硬直、手足のしびれ・気分の不快
【II度】
頭痛・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感
【III度】
【II度】の症状に加え、意識障害・けいれん・手足の運動障害、高体温、肝機能異常、腎機能障害、血液凝固障害
こうした症状は、I度→II度→III度と、段階を経て現れるわけではありません。頭痛や嘔吐、判断力の低下などの症状が突然出て、救急搬送されるケースも多いとか。とくに高齢者では、前触れもなく意識障害に陥ることもあるそうです。
で、なぜ冬に熱中症になるかと言うと……もうおわかりですね、お風呂です。
リンナイの「『入浴』に関する意識調査」(2018)によると、半数以上(57.9%)の人が、冬場の自宅浴槽の温度設定を41℃以上としていました。ところが、先出の「入浴事故の危機管理」によると
で、なぜ冬に熱中症になるかと言うと……もうおわかりですね、お風呂です。
リンナイの「『入浴』に関する意識調査」(2018)によると、半数以上(57.9%)の人が、冬場の自宅浴槽の温度設定を41℃以上としていました。ところが、先出の「入浴事故の危機管理」によると
●41℃以上の湯に30分以上全身浴で浸かると、体温は概ね40℃まで上昇する。
●体温が40℃まで上昇すると、入浴中であってもIII度熱中症の症状が生じやすいとされる。
●体温が40℃まで上昇すると、入浴中であってもIII度熱中症の症状が生じやすいとされる。
というのです。さらに黒木教授は別の報告書でも、「42℃以上の湯に全身浴で30分以上浸かると深部体温が3℃上昇して誰もがIII度熱中症になり、意識を失う」「深部体温が42℃以上になると心筋が崩壊し高カリウム血症となり心室細動を起こし急死する」としています。そう、冬のお風呂が危険なのは、高齢者だけではない(※)のです。
※ちなみに、高齢者の入浴中の事故が多い理由として、黒木教授は「高齢者では神経系の老化の影響で、のぼせにくく症状が出にくい。また、風呂が熱いと感じないから長時間風呂に浸かっていられる」ことをあげています。
※ちなみに、高齢者の入浴中の事故が多い理由として、黒木教授は「高齢者では神経系の老化の影響で、のぼせにくく症状が出にくい。また、風呂が熱いと感じないから長時間風呂に浸かっていられる」ことをあげています。
冬の浴室内熱中症を防ぐポイント
なんだかお風呂が怖くなりそうな話ですが、入浴は体を清潔にするだけでなく、疲れを癒やし、手足の末端まで温める、一日の締めくくりに最高のイベント。よい睡眠のためにも、毎日お風呂に入ることがおすすめです。そこで、冬の入浴時の熱中症を防ぐポイントをまとめました。
●湯温は40℃以下、湯船に浸かる時間は10分以内で。
●長時間入浴するときは、ぬるめのお風呂(38℃前後)で半身浴を。
●体調不良時や食事・飲酒後、薬(睡眠薬など)の内服直後は入浴しない。
●長時間入浴するときは、ぬるめのお風呂(38℃前後)で半身浴を。
●体調不良時や食事・飲酒後、薬(睡眠薬など)の内服直後は入浴しない。
冷え性の人は、短時間の入浴でもお風呂上がりにポカポカが持続する、炭酸入浴剤や薬用入浴剤を使用するのがおすすめ。また、入浴前にはきちんと水分を摂り、お風呂上がりにはハイポトニック飲料や経口補水液で、汗とともに失われたミネラルや水分を補給しましょう!
ハイポトニック飲料や経口補水液に関しては、こちらもご覧ください。
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