2021年4月1日 更新

離れないで、ふくらはぎ――【クローズアップ!人体】第3回「ふくらはぎ」

あなたに最も身近な、自分の体。体のこと、健康のことをもっと知っていきませんか!

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ふくらはぎにクローズアップ!

今回注目するのは筋肉。そのなかでも「ふくらはぎ」です。
すらっとキレイな脚線美から、キレッキレの筋肉美まで、さまざまな姿を見せてくれるふくらはぎの機能美をクローズアップしてみましょう。

どんな仕組み?

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ふくらはぎには、“ヒラメ”がいます。
それは筋肉の名前で、ヒラメのような形(カレイではない)をしているので「ヒラメ筋」といいます(英語では舌平目:sole)。
このヒラメ筋の上を、2本の「腓腹筋」という筋肉が覆っています。
腓腹筋の“腓”はそのままふくらはぎのことで、腓腹筋がふくらはぎの姿をかたちづくっています。
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ヒラメ筋と腓腹筋は、あの有名な“アキレス腱”から伸びて3股になっていて、「下肢三頭筋」と呼ばれています。
(筋肉の分岐は“頭”の数で表すようです)
この3つの頭をかたちづくる筋肉は、ものすごく力強く、全体重をのせてつま先立ちできるほど強力です。
歩くことだけでなく、パントキックも、ポワントも、トリプルアクセルも、ふくらはぎがあればこそ。
また、ふくらはぎの筋肉が運動して伸縮することで、足の血液を上半身に送り返すことができます。これができないと、足のむくみなどにつながります。
ふくらはぎは、力強さ、美しさ、そして健康のために大切な存在なのですね。

なぜそうなるの?

さてそんなふくらはぎ、ともすればいろいろと痛いことが起こりがちな部分でもあります。

まず思い浮かぶのが「こむら返り」。「足がつる」というやつです。
誰でも1回ぐらいはあるのではないでしょうか、寝ているときなどに強い痛みで飛び起き、必死につま先を引っ張ったこと。
そして、これも痛い「肉離れ」。
運動しているときなどに、急にふくらはぎから「ブチッ」という音がして強い痛みが起こり、場合によっては歩けなくなります。
これらは、筋肉の組織の構造から起こるエラーです。
筋肉というのは、細長い繊維が束になってできていて、この繊維がスライド式に動くことで伸び縮みします。
こむら返りのときは、縮む方向のスライドが過剰でがっちり固まって痛みます。
また、肉離れのときは、伸びる方向のスライドが過剰で外れそうになって痛み、さらにひどいと、外れて筋肉が切れてしまいます。

ふくらはぎはふだんから体重を支えて大きな負担を強いられているので、疲労の蓄積や急な負荷によってこうした不具合が起こると考えられます。

ちなみに・・・

ヒラメ筋は持久力、腓腹筋は瞬発力に関係していて、表からわからないヒラメ筋が発達したマラソンランナーのふくらはぎはふっくらした感じに、ふくらはぎの形に直結する腓腹筋が発達したスプリンターのふくらはぎはキレッキレになるそうです。
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このように、ヒトの持久力と瞬発力に深くかかわるふくらはぎですが、四足歩行の動物にはないものです。
人間にだけ許されたふくらはぎのパワーで、あなたも“カーフブランディング※”を決めてみませんか?

※カーフブランディング:非常に難易度が高いとされるプロレス技のひとつ。ひざを相手に押しつけたまま倒れ込む様から、仔牛(calf)の焼き印押し(branding)の様子になぞらえて命名したもの。これを得意とする超人の額には「米」の文字があるとされる。なお、カーフブランディングに用いるひざの裏側下部にもcalf(ふくらはぎ)がある。
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