食欲コントロールで「ガマンしないダイエット」。「幻の空腹感」を見破れ!

世のなかには、リンゴだ、ゆで卵だ、糖質制限だと、ダイエット情報がたくさん。なのに減量に失敗してしまうのは、結局「食欲に負けて食べてしまうから」ですよね。だったら、食欲を抑えてしまえばいいじゃないですか。「そんなことできるの?」って? 「できるか」じゃなくて「やる」んです(きっぱり)!

目次

どうしておなかが減るのかな?

食欲に大きく関係しているのは、脳の視床下部にある「摂食中枢」「満腹中枢」。読んで字のごとく、「おなかが空いた、食べなきゃ!」となるのが前者で、「おなかいっぱい、もう食べられない」となるのが後者です。

摂食中枢と満腹中枢は、胃の状態や血液中のブドウ糖濃度といった、全身から送られてくるさまざまな情報をもとに、えーと、まあ、こう、うまいこと調節されているわけです(←ざっくりと説明していった)。

でもって、そうした情報を伝える物質のなかでも、とくに食欲と関係が深いとされているのが、「グレリン」「レプチン」という2つのホルモンです。
グレリン…主に胃の細胞で作られるホルモンで、摂食中枢に作用して食欲を増進する。
レプチン…全身の脂肪細胞で作られるホルモンで、満腹中枢に作用して食欲を抑える。
胃の中が空になると、グレリンが大量に作られて食欲がわき上がり、食事をするとグレリンの産生量が減るとともに、全身の脂肪細胞からレプチンが分泌されて食欲がおさまる。これが食欲のメカニズムです。

ちょっと待って! その空腹感、本物?

……はい。ここまで読んできて「あれ?」と思ったあなた。鋭いですね。おなかが空くのは「胃の中が空なとき」だけではありません。

たとえば、街を歩いていてカレーのニオイを嗅いだとたん、急にカレーが食べたくなったり、SNSの飯テロ画像を見て、猛烈にラーメンが食べたくなったり……そんな経験ありますよね。

こうした視覚や嗅覚などが空腹感を呼び起こす現象は、五感刺激が自律神経系に与える影響云々……といった小難しい話になるのですが、ざっくり言ってしまえば、それらは「幻の空腹感」。いわば幻覚です。体が必要としていないのに、幻覚に負けて食べていれば、「太っちょまっしぐら」なのも仕方がありません!

コントロールせよ、食欲を(倒置法)

マンガでは、幻覚から目を覚ますため、自分の足にナイフを刺したりするシーンがあったりしますが、そんなバイオレントな行動をしなくても、幻の空腹感を見破ることはできます。

空腹感を覚えたら、自分の胃と会話するつもりで「本当におなかが空いてるのかな?」と、胃に意識を向けてみるのです。(……あれ? そんなにおなか空いてないかも)と気付いたなら、それは「幻の空腹感」というわけ。なお、口に出して胃に問いかけると、周りの人のあなたを見る目が変わってしまうのでご注意を。

さて、「幻の空腹感だったけど、やっぱり食欲を抑えられない!」という方に、空腹感をコントロールする、ちょっとしたテクニックをご紹介しましょう。
■水を飲む
のどの渇きと空腹感は似ているため、水を飲むことでスゥッと空腹感がおさまることがあります。さらに無糖の炭酸水なら、胃の中でガスが発生して胃を膨らますので、満腹感を得やすく、おすすめです。
■何かに集中する
ゲームに夢中なときや、試合前の緊張状態など、何かに集中しているときは空腹を感じません。「小腹が空いたなぁ」ってときは、たいていヒマなんです。そこで、空腹感を覚えたらゲームでも、読書でも、エアーキャップ(いわゆるプチプチ)潰しでもいいので、何かに夢中で取り組んでみましょう。
■寝る
幻の空腹感に負けて、罪悪感と充実したおなか周りを手に入れるくらいなら、いっそのこと早めに寝てしまうのが一番。胃が空っぽなわけではないので、おなかが空き過ぎて眠れない、なんてこともありません。しかも、心と体の疲れもとれるので一石二鳥です。
幻であれ真実であれ、空腹感と上手につきあっていくことがダイエットのコツ。そこで、次は食欲に負けない体づくりのポイントをご紹介……しようと思いましたが、だいぶ記事が長くなってしまったので、また次回に!