【実践編】今日からできる! 食欲に負けない体づくりのポイント

<前回までのあらすじ> 心の眼を開き、自らの体と対話することで「幻の空腹感」を見抜く術を手に入れたあなた。ですが、まだ真のダイエッターの道を歩み出したに過ぎません。今回は「本物の空腹感に負けない体」を手に入れるポイントをご紹介します!

目次

「本物の空腹感」にブレーキを!

というわけで、前回の記事から時間がたってしまいましたが、みなさんは自分の空腹感が本物か幻か、見分けられるようになりましたよね? 
※「幻の空腹感? 何それ、おいしいの?」という方は、先にこちらをお読みください。

さて、本当におなかが空いているときには、無理して食欲と戦う必要はありません。体がほしがってるのに意志の力で食べないのは、すごいストレスですし、何より体に良くありません。

とはいえ、暴走機関車のような食欲を野放しにすると、みるみる(悪い意味での)わがままボディに。
そこで「おなかが空いたら食べる!……ただし、食欲にブレーキをかけながら」がポイントとなるのです。じゃあ、どうやってブレーキをかければいいのでしょう?

よく噛んで味わって食べる

前回の記事のとおり、食事を始めると満腹中枢に作用するレプチンが分泌されます。ところがこのレプチン、分泌されて視床下部に伝わるまで、食事開始から約20~30分ほどかかるとされています。この間に早食いをすると、まだ満腹中枢がはたらき始めていないので、必要以上に食べてしまいがち。

そこで、よく噛んで食べるようにすれば、食事の時間が自然と長くなり、レプチンが満腹中枢に作用して、少量の食事でも満腹感が得られます。つまり、よく噛んで食事の時間を長引かせることが、食欲のブレーキになるのです。また、口の中に料理が長く留まり、ゆっくり味わえるので、食事の満足感も高まるうえ、ダイエットにも役立つのですから、チャレンジしない手はありません。

では、どれくらい噛めばいいのでしょうか? 厚生労働省の「歯科保健と食育の在り方に関する検討会報告書」では、「噛ミング30(カミングサンマル)」​として、ひとくち30回以上噛むことを目標に掲げています。

また、農林水産省の「食育ガイド」では、ひとくちごとに
(1)右の奥歯で 噛んで 味わって
(2)左に移して 噛んで 味わって
(3)右に戻して 噛んで 味わって
(4)左に移して 噛んで 味わって
(5)右に戻して 噛んで 味わって
(6)舌に広げて押しつけ 味わう、味わう、味わう… はーい! ゴックン
という6つのステップで食べることを掲げています。長っ!

まずは食事のとき、自分がどれくらい噛んで食べているか、回数を数えてみてはいかがでしょうか(ちなみに私はカレーライスの場合、ひとくちあたり3~4回しか噛んでいませんでした)。

満腹感を得やすいものを食べる

食欲にブレーキをかけるのに役立つのが、ダイエットサポート食品。ドラッグストアには、カロリー控えめで、おなかの満足をサポートする商品がたくさんそろっています。

たとえば、胃の中の酸と反応して膨らみ、空腹感を抑える大正製薬「コバラサポート」、飲み物といっしょに食べると、コンニャクマンナンが水分を吸って膨らむナリス化粧品「ぐーぴたっ」、噛みごたえがあって満足感を得やすいマンナンライフ「蒟蒻畑」などなど……。こうした商品を活用すれば、空腹感と摂取カロリーを上手にコントロールできます。

睡眠時間を確保する

「それでも食欲に勝てない」という方。ひょっとして、睡眠不足じゃありませんか? 2017年に早稲田大学スポーツ科学研究科は「睡眠時間の短縮が、肥満リスクを増加させるメカニズムを解明」という研究結果を発表しています。睡眠時間が短いと、食欲抑制ホルモンが減少したり、空腹感が増加したりするのだそうです。

用事があって起きているときは、「●●(←寝られない理由)とスリムな体、どっちが大事だろう?」と、一度自分に問いかけてみるといいかもしれません。

「太りやすい体」を含め、体の不調の多くは、生活リズムの乱れが原因だったりするもの。今日から食事制限やハードな運動を始めるのはたいへんですが、食べ方や睡眠時間の改善なら、気軽に取り組めそうですよね。

え? 「偉そうに書いているからには、お前はスリムなんだろうな」って?
……ううむ(おなかの肉を恨めし気につまみつつ)。