夏の日差しでブツブツが…これってアレルギー?

日差しに当たった部分が赤くかゆくなったり、チクチクしたり、小さなブツブツができてしまった。そんな肌トラブルの経験はありませんか? それは日光によるアレルギー(光線過敏症)かもしれません。夏本番を前に、主な日光アレルギーの種類と、効果的な対処法をご紹介しましょう。

目次

日差しで怖いのは、紫外線だけじゃない! <日光蕁麻疹>

日焼け止めをしっかり塗って、紫外線対策はバッチリ! と思ったのに、外に出たら日に当たったところがボコボコと赤く腫れてかゆい…。それは「日光蕁麻疹(にっこうじんましん)というアレルギー症状かもしれません。

●症状・原因
日光に当たったところが赤くなり、ボコボコと楕円形や地図状に腫れたり、激しいかゆみが起きたりします。

発症の仕組みは十分に解明されていませんが、日光に当たったことがきっかけ​で、皮膚内にアレルゲン(アレルギー反応の原因物質)ができてしまうためだと考えられています。

日の光を浴びてすぐに症状が出ることが多く、ほとんどのケースは、日光を避ければ数時間ほどで症状が治まります。

●予防法
日光蕁麻疹の多くは、紫外線ではなく光(可視光線)が原因で起こるため、日焼け止めを塗ってもあまり効果はありません。長手袋やアームカバー、日傘、長袖の服などで、物理的に日光をカットしましょう。

夕方~夜になると腕にブツブツが! <多形日光疹>

日中、日差しを浴びても何ともなかったのに、家に帰ってしばらくしたら腕にブツブツとした湿疹が…。それは「多形日光疹(たけいにっこうしん)というアレルギー症状の可能性があります。

●症状・原因
日に当たった部分に、不規則な形の赤い発疹や水ぶくれができ、かゆみや痛みが起こります。

日に当たってすぐではなく、数時間~半日たって症状が出るケースが多いのが特徴。

発症の原因は、日光に含まれる紫外線A波(UV-A)によって、皮膚内にアレルゲンができてしまうためと考えられています。なお、症状が治まるまで数日かかることもあります。

●予防法
多形日光疹は、紫外線A波(UV-A)が主な原因とされています。そこで、UV-Aをカットする効果を現す、PA値(+~++++)の高い日焼け止めを塗るのが効果的。また、肌の露出を控えたり、日差しの強い時間帯はなるべく外出を避けたりしましょう。

貼り薬を貼った場所がかぶれた! <光接触皮膚炎>

ふくらはぎの筋肉痛に、病院で処方してもらった貼り薬を貼って外に出たら、薬を貼った部分がかぶれて、かゆみやヒリヒリした痛みが出た…。それは「光接触皮膚炎(ひかりせっしょくひふえん)かもしれません。

●症状・原因
外用薬(塗り薬や貼り薬など)を使った部分に日光が当たることで、赤いブツブツができたり、皮膚が盛り上がるように腫れたり、水ぶくれができたりするほか、かゆみや痛みが現れることもあります。

気をつけたいのは、医薬品が触れた部分だけでなく、症状が全身へ広がっていく場合があること、そして、薬を使ってから1カ月ほど経っているのに、患部に日光が当たって症状が現れる場合があることです。

薬を使っただけでは症状が出ないのに、日光に含まれる紫外線(UV-A)が引き金となって発症するのが特徴。また、症状が治まるまでに時間がかかり、1カ月ほど腫れが続くこともあります。

●予防法
薬を使った部分に、紫外線が当たらないようにすることが重要。外用薬を使った部分の露出を避け、どうしても日が当たりそうな場所には使わないようにしましょう。

なお、光接触皮膚炎を起こしやすい成分を含む薬は、薬局で処方されるとき、必ず薬剤師から使用上の注意の説明があります。このとき、心配であれば薬剤師に相談することで、別の薬に変更してもらえることもあります。

また、こうしたトラブルにもつながりかねないので、処方薬を家族や友人で使い回すのは絶対にやめましょう

【対処法】日光アレルギーになったら、どうすればいいの?

ご紹介した3つの症状は、実は日光アレルギーのほんの一部。

さらに、夏は日光以外にも、夏の花粉、風で飛んできたケムシの毛など、かぶれの原因がいっぱいあります。

つまり、私たち一般人が症状や原因を判断するのは、はっきりいってムリ! でも、つらい症状はガマンできない!

そこで、日光アレルギーも含めて、蕁麻疹やかぶれが起きたときに効果的な対処法をご紹介しましょう。

■対処法1 患部を冷やす
かゆさをガマンできずに掻くと、さらにかゆみの範囲が広がったり、かゆみが増したり、傷ついてあとが残ったりします。

そこで、かゆみがつらいときには、氷水を入れた袋や保冷剤などで患部を冷やすのがおすすめ。不思議とかゆみが治まります。なお、患部を温めると、血行が良くなって症状が悪化することもあるのでご注意を!
■対処法2 汗をしっかり拭く​
汗にはナトリウムや尿素、アンモニアなど、肌に刺激を与える成分が含まれています。汗をかいたまま放っておくと、これらの成分で炎症を起こしたり、雑菌が繁殖したりして、症状が悪化することも。

吸水性の良いタオルで汗をこまめに拭き、お肌を清潔に保ちましょう。またこのとき、強くこすらないように気をつけましょう。
■対処法3 保湿する
お肌が乾燥すると、肌のバリア機能が低下して、ちょっとした刺激で炎症を起こしやすくなります。すると、自分の髪の毛や服がこすれた刺激で、蕁麻疹やかぶれが悪化してしまうことも。

化粧水や乳液などで、うるおいを与えましょう。
■対処法4 薬剤師・登録販売者に相談する
ドラッグストアには、蕁麻疹などのかゆみを抑える薬があります。どんな症状かいつ発症したのか思い当たる要因はあるか、といった情報を薬剤師や登録販売者に伝えると、症状改善に役立つ薬を教えてくれるでしょう。
■対処法5 「いつもと違う」なら病院へ!
対処法1~4は、あくまで症状が軽いときのもの。アレルギーは、まれに重症化して、呼吸困難やショック症状を起こすこともあります。蕁麻疹が広範囲に現れたときや、繰り返し症状が起こるときなど、「いつもと違う」と感じたら、皮膚科や内科、またはアレルギー専門医の診断を受けましょう。