【もう後悔したくない】お酒と二日酔いにまつわるウワサを徹底調査!

歓送迎会やお花見など、飲酒の機会が多くなる季節。楽しくてお酒を飲み過ぎた翌日、ひどい二日酔いで「もう酒なんて飲むもんか」と後悔した(そして数日したらケロッと忘れた)経験のある人もいるのでは? 「もうつらい思いはしたくない……」そこで、二日酔いにまつわるあれこれを調べてみました。

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実はよくわかっていない「二日酔い」の仕組み

楽しく飲んだ翌朝の頭痛や吐き気、胃痛、胸焼け……。お酒好きなら1度や2度は経験のある(ありますよね?)二日酔いですが、驚いたことに「なぜお酒を飲み過ぎると二日酔いになるのか」は、はっきりと解明されていないんだとか。

一般的にいわれているのは、「お酒をたくさん飲むと、体内でアルコールを代謝する途中で発生するアセトアルデヒド(毒性の強い成分)が、肝臓の処理能力を超えてできてしまい、血液中のアセトアルデヒド濃度が上がって、頭痛や吐き気、胃もたれなどの症状が起こる」というもの。みんな大好きWikipediaにも、そんな感じのことが書いてあります。

ところが、厚生労働省のe-ヘルスネット「二日酔いのメカニズム」によると、二日酔い状態の人の血液を調べても、アセトアルデヒドが検出されることはまれなんだそうです。

「じゃあ、二日酔いの本当の原因は?」というと、「さまざまな要因や、未だ不明の要因が複雑に絡み合っているのかも」という、もや~んとした結論に。う~ん。

二日酔いに「迎え酒」……は禁物!

さて、つらい二日酔い対策として、民間療法的にいわれているのが「迎え酒」。二日酔いの症状を抑えるために、あえてお酒を飲む。「毒をもって毒を制す」​風のワイルドな解決法ですが、江戸時代には川柳に詠まれるほど、一般的な二日酔い対策だったとか。

「ってことは、効果があるの?」と調べてみると、確かに迎え酒で頭痛や倦怠感などが薄れる人もいるようです。ですが、それは単にアルコールで脳が麻痺しているだけ。酔っている体にアルコールを追加するわけですから、二日酔いを長引かせることになりますし、なによりアルコール依存症になるリスクが高まります

WHO(世界保健機関)の調査研究をベースに作られ、世界中で使用されている飲酒習慣のスクリーニングテスト「AUDIT(Alcohol Use Disorders Identification Test)」には、「過去1年間に、深酒の後体調を整えるために、朝迎え酒をせねばならなかったことが、どのくらいの頻度でありましたか?」という質問があります。迎え酒は危険な飲酒習慣のひとつ。つらくても、ぜったい手を出してはいけません。

「チャンポン」は悪酔いしやすい?

いろいろな種類のお酒を次々と飲む、いわゆる「チャンポン」は悪酔いしやすいといわれています。……でもなぜなんでしょう? 

理由を知りたくて調べていると、2019年2月8日の「The American Journal of Clinical Nutrition(アメリカ臨床栄養学会誌)」に、関係ありそうな研究論文が掲載されているのを見つけました。
19歳~40歳(平均23.9歳)の90人の被験者を3つのグループにわけ、
Aグループ:まずビール、次にワイン
Bグループ:まずワイン、次にビール
Cグループ:ビールまたはワインだけ

を酔う(呼気のアルコール濃度が0.11%)まで飲んでもらう。
 →翌日、二日酔いになっているかをチェック。

1週間以上経ったのち、A・Bグループは飲む順番を入れ替え、Cグループは前回と「逆のお酒」を酔うまで飲んでもらう。
 →翌日、二日酔いになっているかをチェック。
という、楽しいんだかつらいんだかよく判らない方法で、調査を行ったようです。

で、気になる結論は
Neither type nor order of consumed alcoholic beverages significantly affected hangover intensity.
(酒の種類も飲む順序も、二日酔いの強度に有意な影響を与えなかった)
とのこと。「色の付いたお酒は云々」とか「甘いお酒は云々」といった話もありますが、「チャンポン」は悪酔いするという説に、きちんとしたエビデンスはなさそうです。

二日酔いになりたくなければ……

身も蓋もないことをいうと、結局、二日酔いになるかどうかは摂取したアルコールの量次第。「節度ある飲酒量」にとどめておけば、つらい思いをしなくて済むということですね(うすうす感づいてはいましたが)。

ちなみに厚生労働省の『健康日本21』、アルコールのページによると、節度ある適度な飲酒とは、「1日平均純アルコールで約20g程度」
■純アルコール20g相当の酒量
ビール(5%):中瓶1本(500mL)
チューハイ(7%):缶1本(350mL)
日本酒:1合(180mL)
ウイスキー・ブランデー:ダブル1杯(60mL)
ワイン:グラス2杯弱(200mL)
なお、毎日この3倍量以上(1日平均純アルコールで約60g以上)を飲む人は、「多量飲酒者として「健康への悪影響のみならず、生産性の低下など職場への影響も無視できない」としています。

とはいえ、これからのシーズンは飲み会の機会が多く、つい飲み過ぎてしまうことも。そこで、飲み会の前には、ドラッグストアで肝臓をケアする医薬品医薬部外品ドリンクなどを買っておくといいでしょう。
肝臓をケアする成分についてはこちらの記事もご覧ください。
飲み会のお供! ウコンと肝臓水解物ってどう違うの?(ケンポナシもあるよ)
それでも二日酔いになってしまったときは、「ソルマック」「液キャベコーワ」などの胃腸内服液や、「太田胃散」第一三共胃腸薬グリーン」などの胃腸薬、「五苓散(ごれいさん)」「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」といった漢方薬、意外なところでL-システイン製剤の「ハイチオールCプラス」などが効果的。

症状や体質によって適した薬は違うので、ドラッグストアで薬剤師さん・登録販売者さに相談してみましょう!