感染症流行時に被災したらどうすればいい?【うつされるのはイヤ!】

外出を自粛し、3密を避けることが、新型コロナウイルスなどの感染症拡大を防止することにつながる――。では、感染症流行時に地震や豪雨などの被害にあった場合、3密が危惧される避難所に行っていいのでしょうか。

目次

避難所に行く? 行かない?

たとえ感染症の流行時であっても、自宅の倒壊や浸水などの危険性がある場合は、命を守るためにすぐ避難をすべきです。ただし、避難所の3密を避けるためにも、親戚や知り合いなど、ほかに安全な家があれば、そこに避難するのがいいでしょう。

内閣府が各自治体に宛てた「避難所における新型コロナウイルス感染症への更なる対応について」という事務連絡でも、
(親戚や友人の家等への避難の検討)
・災害時に避難生活が必要な方に対しては、避難所が過密状態になることを防ぐため、可能な場合は親戚や友人の家等への避難を検討していただくことを周知すること。
とされています。

しかし、ほかに避難できる家がなかった場合は、避難所に行くしかありません。そこでどうしても気になるのが、感染症です。

どうなってる? 避難所の感染対策

3密となる可能性が高い避難所では、どのような感染症対策をとっているのでしょうか。

各自治体は、先述の事務連絡に加え、「避難所における感染対策マニュアル」(2011年3月24日版)などによって、適切な対策をとるよう求められています。具体的には、

・できるだけ多くの避難所を開設
・避難者の健康状態の確認
・生活区域やトイレなどの衛生環境の確保
手洗い、せきエチケットなどの徹底
・感染症状のある人や疑いのある人の隔離(専用スペースの確保)


などが示されています。多くの人が集まるのは心配ですが、それでも、考えうる最低限度の対策は行われる(求められている)ようです。

なお、我々生活者に対しては、避難所においても手洗い・消毒・せきエチケットの徹底、食器やタオルなどを共用しないことといった、いまやすっかりおなじみとなった感染予防の対策が、厚生労働省の「災害時における避難所での感染症対策」などによって示されています。

被災した場合は、命を守る行動を!

3密がイヤだからといって、衛生状態の悪い、半壊や浸水した家でそのまま生活し続けると、逆に感染症のリスクが高まります。また、震災の場合は、余震による倒壊の危険もあります。自宅がそのような状態にある場合は、すみやかに避難するべきです。

必要な物資や情報は、自宅ではなく避難所に集まります。周りに人がいることで、不安な気持ちがまぎれることもあるかもしれません。万が一感染した場合でも、避難所のほうが医療機関と連絡が取りやすいですし、スタッフや、場合によっては医師、看護師、薬剤師などがいるので安心できるでしょう。

いずれにしろ、命あっての物種です。平常時には、避難所や避難経路を確認し、ドラッグストアなどで緊急時用の医薬品や食料品などをそろえておくなどの準備が重要です。そして、万が一被災した場合は、命を守ることを最優先にして行動しましょう。


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なお、避難所での過ごし方については、以下の記事をご参照ください。