2020年3月9日 更新

感染症のリスクがあるなかで花見を強行する方法

花見の季節。今年は、新型コロナウイルスが気になって、人混みに行くのがためらわれる。インフルエンザもいやだし、ちょっとしたかぜもひきたくない…。でも、やっぱり花見をしたい!

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「花見は感染のリスクが高い」というこれだけの理由

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新型コロナウイルスが猛威を振るっている2020年2月26日、政府は「多数の方が集まるような全国的なスポーツ、文化イベント等については、大規模な感染リスクがあことを勘案し、今後2週間は、中止、延期又は規模縮小等の対応を要請する」と呼びかけました

この要請は「全国的なスポーツ、文化イベント等」を対象としており、「全国一律の自粛要請を行うものではない」とのことだそうです。花見は、多くの場合、個人的に行う小規模なイベントですので、これには当てはまりません。

しかし、人気の花見スポットともなると、毎シーズン数十万人から数百万人も集まるようです。いくら個人的なイベントとはいえ、そんな花見スポットならもう、全国的なイベント以上の規模になってしまいます。つまり、花見も「大規模な感染リスクがある」と考えられるのです。

では、なぜ花見が感染症に罹るリスクが高いのか。あらためて考えてみましょう。

●人が多く集まるため​
人が多く集まるということは、それだけ、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスなどを保有している人が多くいるかもしれないということ。症状があるなら本人も周りの人も気をつけるでしょうが(そもそも家で寝てなさいという話ですが)、なかには、感染していても症状が出ない人もいます。その場合、本人も周りの人も気がつきませんから、いつのまにか感染する・させる可能性があります。

●さまざまな場所に触れる可能性があるため
花見を行う場所には、ベンチや自動販売機、公衆トイレ、手すりなど、多くの人が触れる場所がかなり存在しています。それらに気をつけたとしても、グループ内に感染している人がいれば、お皿やコップ、菓子袋、空き缶、敷物などに付着したウイルスから感染してしまう場合もあります。

●人と至近距離で長時間過ごすため
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近い距離で一定時間以上会話などを続けると感染のリスクが高くなる
花見の醍醐味といえば、(桜よりも)仲間同士集まって楽しくお酒を飲むこと。その場合、厚生労働省のいう濃厚接触の距離(2メートル)に多数の人がいるでしょうから、そのなかに感染者が一人でもいれば、それだけ感染する可能性が高くなります。

●必ずマスクを外すため
このご時世、しかもちょうど花粉の季節と重なって、大抵の人はマスクをしているはず…と思いがちですが、花見に限ってはちょっと事情が違います。というのも、飲食するにはマスクを外さなければならないからです。本当に桜を見るだけならマスクをつけたままでもできますが、多くの人は、飲食(とりわけお酒)も込みだと思われます。マスクを外したまま会話をすれば、その分飛沫が飛び散るわけですから、感染の可能性も高くなります。

それでも花見がしたいアナタへ。いくつかの提案

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それでもやっぱり「花見がしたい!」という方もいらっしゃることでしょう。そんな方たちのために(むしろそんな方たちがほかの人にうつさないためにも)、感染のリスクをできるだけ下げるべく、いくつか対策を提案します。

こまめに手指を消毒する
ウイルスが付着した手で箸やコップ、食材に触れてしまうと、飲食する際にウイルスが体内へ侵入し、感染してしまうことがあります。屋外にいるとなかなか手洗いができませんから、アルコール(お酒じゃない)などでこまめに消毒をするよう心がけましょう。

※正しい手洗い方法については、厚生労働省のWEBサイト「新型コロナウイルス感染症について」において、動画で確認することができます。

人との距離にゆとりをもつ
飛沫感染を防ぐには、ウイルスを含んだ飛沫を直接吸い込まないようにすること。飛沫が届く距離はおよそ2メートルとされています。会話を楽しむには少し距離がありますが、それでも感染のリスクを考えると、多少離れていても、気持ちさえ通じ合っていれば問題ありません。

話をするときはマスクをする
飛沫を飛ばさないためには、マスクをするのが有効です。飲食のためにマスクを外すのはやむを得ませんが、感染のリスクを考えたら、マスクを外している間は一切しゃべらず、話をするときは必ずマスクをするようにします。飛沫の飛ぶ機会が、グッと少なくなるでしょう。

※正しいマスクのつけ方については、厚生労働省のWEBサイト「新型コロナウイルス感染症について」において、動画で確認することができます。

人気のない場所でやる
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人が少ない場所ならそれだけ感染のリスクも低くなる
感染リスクを下げるには、人混みに行かないことがいちばんです。そのため、花見会場は、メインの場所から離れたところや人気のない場所など、花見客が少なそうな場所を狙うのがおすすめです。

周囲がさみしいと盛り上がらないという人もいるかもしれませんが、感染する・させるリスクを考えたら、そうも言っていられません。

インドア花見にする
インドア花見とは、桜などを飾り付けた、あるいは窓から桜が見える飲食店やレンタルスペースなどの屋内で行う花見のこと。花粉や寒さ、トイレなどの心配がなく、場所取りや買い出しなどの準備をしなくていいことから、近年人気が高まってきているようです。個室貸し切りなども多いため、人混みによる感染のリスクを下げることができます。

とはいえ、ドアノブ、スイッチ、テーブル、イスなど、接触感染の機会は、屋外よりも多いかもしれません。また、限られたスペースなので、全員、飛沫が届かない距離を確保することは難しいでしょう。これまでに提案した対策を実践して、感染のリスクを下げましょう。

集まらない
いまはテレビ電話もありますし、SNSや動画共有サイトで簡単に自分の様子をライブ配信できる時代です。すでに「オンライン飲み会」をやっている人もいるようですし、決して突拍子もない話ではありません。

この方法なら、安心安全な(?)自宅から出ずに、多くの人と花見気分を共有できます。桜の実物がなくても、インターネットで検索すれば、実物以上に美しい桜をたくさん見ることができるでしょう。近い将来、メインの花見になるかもしれませんね。

結局、家でおとなしくしているのがいい

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あらゆる方法で感染リスクを下げたとしても、それがゼロになるわけではありません。

健康な人であれば、新型コロナやインフルエンザなどの感染症に罹っても、症状が出なかったり、軽症で済んだりすることも多くあるようですが、高齢者や持病がある人の場合は重篤化しやすく、命の危険にもつながります。

自分が元気だからといって、マスクをせずにせきをしたり、手洗いをおろそかにしたりすると、仮にウイルスを保有していた場合、感染を拡大させてしまうことになりかねません。
(参考:【新型肺炎】せきが出るのにマスクをしないのは違法!?【インフルエンザ】

花見をするためにさまざまな提案を示してきましたが、感染のリスクを下げるいちばんの方法は、やっぱり人混みに行かないこと、むやみに外出をしないこと、そして手洗いを徹底することでしょう。

となると、花見を強行するよりも、家でおとなしくしているか、オンライン花見でガマンするしかなさそうですね。
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