【予防と対策】目も日焼けするって本当?

太陽の光は体にさまざまなダメージを与えることがあります。たとえば、紫外線やブルーライト(青色光線)は、肌と同じように、目の細胞に悪影響を及ぼすことも。目の日焼けと、そのケア方法についてご紹介します。

目次

太陽光線には種類がある?

日焼けで肌が炎症を起こすように、目にも太陽光によりさまざまなトラブルが起こります。
太陽光線は、紫外線や可視光線、赤外線など、いくつかの光線で構成されています。青色側ほどエネルギーが強く、赤色側にいくにつれ、光のエネルギーは弱まります。
そのため、とくに紫外線は目に有害な光線といわれ、以前から問題にされていましたが、近年、可視光線のなかでもエネルギーの強い「ブルーライト(青色光線)」も問題視されています。

紫外線・ブルーライトの正体は?

人の目で見ることができる光を可視光線といいます。可視光線は、虹の色と同じ7色の光で構成されており、紫・紺・青・緑・黄・橙・赤の順番で波長が長くなります。

紫の光よりも波長の短い光(380 nm以下)を紫外線といい、赤の光よりも波長の長い光(780 nm以上)を赤外線といいます。ブルーライトと呼ばれているのは、380~500nmの紫~青い光を指すことが多いようです。

ブルーライトは、可視光線のうちもっとも紫外線に近い領域の光で、波長が短くエネルギーが高いのが特徴。太陽光線ほか、LED照明や、パソコン、テレビ、スマートフォンのバックライトなどの光にも多く含まれています。

ブルーライトには、網膜への影響を心配する声もあり、目のピント調節機能に負担をかけ、眼精疲労の原因になるという意見もありますが、ブルーライトが人間の目に特定の病気を引き起こすことを示した研究は、今のところないようです。

しかし、ブルーライトよりも波長の短い紫外線は、目に及ぼす影響が判明しています。そこで紫外線が引き起こす、目の病気について見ておきましょう。

紫外線による目の病気って?

紫外線が引き起こす目の病気には、軽度なものから手術が必要なものまであります。
<電気性眼炎、雪目(ゆきめ)、紫外線角膜炎>
紫外線が引き起こす、代表的な目の病気。海水浴で強い紫外線を浴びたり、電気溶接の光を直視したりすることで、角膜の表面が傷ついて炎症を起こす。雪面は紫外線の反射が強いため、スキー場などで発症すると「雪目」ともいわれる。強い目の痛み、異物感、充血といった症状が出ることが多い。昼間に紫外線を浴びた場合、夜から翌朝にかけて発症し、大部分は1~2日程度で自然治癒する。
<翼状片(よくじょうへん)>
結膜(白目)の組織が増殖し、翼状に角膜(黒目)の部分に進入する。視力障害の原因となることがあるため、進行すると翼状片を切除する必要がある。戸外での活動時間が長い人に多く発生しやすく、紫外線などの外的刺激が発症に関係すると考えられている。
<白内障>
目でレンズの役割を担う水晶体のたんぱく質が変性して、濁ってしまう病気。濁りの原因に、紫外線が影響していると考えられている。放置すると徐々に視力が落ち、失明に至ることがある。治療には、混濁した水晶体を眼内レンズと置換する手術が行われる。
なんだか怖い紫外線ですが、ちゃんと対策はあります。

どうしたらいいの? 目の紫外線対策とケア

効果が高いのは「UVカット効果のあるサングラス」をかけること。
環境省の『紫外線環境保健マニュアル2015』では、サングラスの着用で紫外線の目へのばく露を90%カットすることができるとしています。また、最近ではふつうのメガネにも紫外線カット機能のあるレンズが使われるようになっています。

なお、注意したいのは、サングラスの色の濃さは、UVケア効果とは無関係だということ。UVカット加工の表示があり、目の周りまでカバーできるようなフレームの大きいサングラスを選ぶことをおすすめします。
つばの大きい帽子や、UVカット素材を使った日傘なども組み合わせて使いましょう。

また、UVカット機能をもつコンタクトレンズもありますが、完全に目の紫外線対策ができるわけではありません。白目の部分はケアができないからです。目を紫外線から守りたいのであれば、UVカット機能のコンタクトレンズとサングラスの併用がおすすめです。

紫外線対策をしたのに、目がダメージをうけてしまい、目の痛みや違和感が強い場合は、無理をせずに眼科を受診しましょう。

あまりひどくない場合は、ドラッグストアで薬剤師や登録販売者に相談しましょう。市販の目薬のなかには、紫外線による目の炎症・充血、まぶたのただれなどに効果的な成分が配合されているものもあります。また、長時間太陽の光を浴び続けると、涙が不足してしまうこともあります。そういった場合は、涙液型目薬をさして、目にうるおいを与えるとよいですよ。

レジャーに行くときはもちろん、日中の長い時間を屋外で過ごすときには、お肌だけでなく、目の紫外線対策とケアもお忘れなく。