【予防と対策】熱中症から身を守ろう!

やっと寒暖差の激しい日々が終わったと思ったら、一気に蒸し暑い日々に…。こうした時期に気をつけなければいけないのが「熱中症」です。熱中症がどういうものか何となく知っている方は多いと思いますが、改めて熱中症とは何か、その症状、予防法、対策をおさらいしましょう。

目次

屋内でも要注意! 熱中症とは?

どんな症状?

熱中症とは、暑さのために、
・大量に汗をかき、体内の水分・塩分のバランスが崩れたり、
体温調節がうまくいかず、体内に熱がこもって体温が上昇したり
することで、体が不調になることをいいます。

症状は、その度合いによって3つに分けられます。
Ⅰ度(応急処置で対応できる軽症
・大量に汗をかく
・めまい、立ちくらみがする
・筋肉が痛くなったり、手足がしびれたりする
・気分が悪くなる
Ⅱ度(病院へ行く必要がある中等症
・頭痛、吐き気、嘔吐が起きる
・体がぐったりする
・体に力が入らない
Ⅲ度(入院して集中治療を行う必要がある重症
・呼びかけや刺激に対する反応がおかしくなる
・全身がけいれんを起こしたり、まっすぐ歩いたりできなくなる
・意識がなくなる
・体温が異常に熱くなったり、内臓などに異常が起きる

起こりやすい場所は?

「熱中症は炎天下で起こりやすい」と考えている人も多いはず。
しかし、実は炎天下に限らず、場合によっては屋内で熱中症になることも。

熱中症の起こりやすい条件は以下の通りなので、該当する場所では十分注意が必要ですね。

・高温、高湿度
 ※気温が低くても、湿度が高いと熱中症にかかりやすくなる
・無風、弱風、あるいは熱風
・日差しや照り返しが強い
気温が急に高くなる場合

とくに雨の日は、雨が降っている間は気温が下がりがちですが、雨が上がると気温が急に上がるうえに、湿度も高い状態なので要注意です。

これでバッチリ! 熱中症の予防法

条件さえ合えば誰でもなってしまう可能性のある熱中症ですが、予防と対策をしっかりしておけば防ぐことができます。
大きく分けると3つ。

涼しくする

まずは体が涼しくなるような環境をつくりましょう。

<屋内>
・カーテンやブラインドなどで直射日光を遮る
・エアコンで温湿度を調整する
・扇風機やサーキュレーターで空気の流れをつくる

<屋外>
・帽子や日傘などで日差しをよける
・冷却グッズを使う
・できるだけ日陰を歩く

そのほか、服装もポイント。
通気性の高い素材・デザインの服がおすすめです。
また、黒系の色は熱を吸収しやすいので、白系の色を選ぶのがよいです。
そして、意外な盲点といえるのがインナー
暑い日は薄着になりがちですが、インナーを着ると、肌とインナー、インナーとアウターの間に空気の層ができるので、熱気を遮ってくれます。

水分補給する

熱中症といえば水分補給ですよね。
それにもいくつかポイントがあります。

・暑い日は知らないうちに汗をかいて体内の水分が失われているため、のどが渇く前からこまめに補給する
・汗をかくと水分だけでなくミネラルも失われるため、ミネラルを補給する
・利尿作用(体内の水分を出してしまう)のあるカフェインの入った飲み物やアルコールを避ける

そこでおすすめなのが麦茶
麦茶にはナトリウムやカリウムなどのミネラルが入っており、カフェインは入っていないので水分補給にもってこいです。
スポーツドリンクも水分・ミネラルの補給に適していますが、糖分が多いものもあるので摂り過ぎには注意しましょう。

体づくりをする

いちばんの根本対策は、「暑さに負けない体」をつくること。
水分補給はもちろん、普段から運動をして汗をかく習慣をつけることで、体温調節をうまく行える状態にしておくのが熱中症予防に効果的です。
日が落ちたあとなどの比較的涼しい時間帯を狙い、ウォーキングやジョギングなどをするとよいでしょう。
また、バランスのよい食事やしっかり睡眠をとるようにして、体調管理を万全にしておくことも重要です。

もし熱中症になってしまったら?

熱中症は、その度合いによって対応方法が異なります。
Ⅱ度~Ⅲ度の場合は、ただちに病院で診察を受けましょう。
とくに、意識が混濁していたり、けいれんを起こしたりしているなど、自分で体を動かすことが難しい場合はすぐに病院に搬送する必要があります。

Ⅰ度のように比較的軽症な場合は、以下の応急処置が有効です。
・涼しい場所に移動する(風通しのよい日陰、エアコンの効いている屋内など)
・衣服を脱がして放熱する
・体を冷やす(首筋、わきの下、足の付け根など、皮膚のすぐ下に太い血管が通っている部位を氷嚢などで冷やす)
・水分・塩分を補給する(水、麦茶、スポーツドリンク、経口補水液(OS-1)など)
これらの処置をしても症状が改善しない場合、病院で診察を受けましょう。

誰にでも起こり得る熱中症。
しっかり予防法・対策法を把握して、万全の体制で夏を過ごしましょう。