マメドラ――ドラッグストアに関する豆知識――「第1回:体温計」

世の中には、知っているようで意外に知らないことがたくさんありますよね。 「どうして空は青いのか?」「人はなぜ生まれどこへ向かうのか?」のような自然の摂理や哲学はさておき、「知っているようで意外に知らない」そんなことがお近くのドラッグストアにも実はたくさんあるんです。 ドラッグストアに関する豆知識、略してマメドラ、記念すべき第1回は「体温計」に焦点を当ててお送りします。

目次

もう迷わない! これであなたも体温計博士!

「ちょっと熱っぽいかも…」と感じて最初にすることといえば、体温計で体温を測ることですよね。
実はこの体温計、ものすごいノウハウが結集されてできているんです!

なぜ測定に時間のかかるものとそうでないものがあるの?

最近の体温計は数秒~1分程度で測定ができますよね。
年配の方のなかには「そういえば昔は5分以上かかっていたような…これがテクノロジーの進歩か!」と思う方も多いはず。
実は、体温計には「実測式」「予測式」の2種類の測定方法があるんです!

実測式

文字通り、測定部位の実際の温度を測定​する方法。
現在は販売されていませんが、水銀式の温度計が、この実測式でした。
「これ以上温度が上がらないポイント」になるまで測るため、一般的に測定に5~10分程度かかります。
基礎体温のように、精度高く体温を測りたい場合には実測式を用いることが多いです。
ただし、耳で体温を測る体温計など、最近では実測式でありながら短時間で測定できる体温計も販売されています。

予測式

体温の上昇データを統計的に処理して、「これ以上温度が上がらないポイント」がどのくらいになるのかを計算して予測する方法。
数秒~1分程度で測定することが可能です。
多くの方の体温上昇データをもとに、実測式と同等の測定結果が得られるように日々研究されているので、「小さなボディにたくさんの人のデータが詰め込まれている」と考えると感動してしまいますね。

口・わき・耳…どれを選べばいいの?

「体温計をさす場所はどこ?」と聞かれたら、口・わき・耳などが思い浮かびますよね。
それぞれ専用の体温計があって、どれもちゃんと体温が測れるんですが、それぞれの特徴を押さえておくと、体温計選びで迷うことはありませんよ!

精度を求めるならコレ! 口中用体温計

舌の裏側部分に挟んで測定する体温計です。
海外ではポピュラーなタイプで、口中用体温計を1人1本保有しているといわれるほど。
舌の裏側部分は体温が安定しているため、日本では女性の基礎体温測定幼児の体温測定のために用いられることが多いです。
わきで測るよりも0.2~0.3℃程度高めの体温になるのが特徴です。

やっぱりオーソドックスがいい! わき式体温計

わきの下に挟んで測定する体温計です。
正しく測定するためには、わきの中心に体温計が上半身に対して30~45°くらいの角度になるようにあて、わきをしめるようにするのがポイント。
測定中はしっかりわきをしめ、測定が終わるまでじっとするようにしましょう。

小さなお子様にはコレ! 耳式体温計

耳の中から出ている赤外線を検出することで測定する実測式の体温計です。
数秒で測定できるため、時間をかけたくない方や、じっとしていられないお子様などにおすすめです。
一般的に、口中用体温計やわき式体温計よりも高めの体温になることが多いです。
なお、耳の中の形状や、耳垢などによる耳の中の汚れ、中耳炎などの炎症の影響で正しく測定できないことがあるため注意が必要です。

最後に

いかがでしたか?
一口に「体温計」といってもたくさんの種類や特徴があります。
お近くのドラッグストアで実際に見てみて比較してみるとおもしろいですよ!!