マメドラ――ドラッグストアに関する豆知識――「第4回:絆創膏」

世の中には、知っているようで意外に知らないことがたくさんありますよね。「どうして空は青いのか?」「人はなぜ生まれどこへ向かうのか?」のような自然の摂理や哲学はさておき、「知っているようで意外に知らない」そんなことがお近くのドラッグストアにも実はたくさんあるんです。ドラッグストアに関する豆知識、略してマメドラ、第4回は「絆創膏」に焦点を当ててお送りします。

目次

状況に応じて使い分けるのが効果的!

誰もが人生で一度は使ったことがあるであろう絆創膏。
好きな女の子に貼ってもらったのがうれしくて、1週間くらいずっとそのままにしていた絆創膏(って友達が言ってました。ええ、友達が)。
「ばんそうこう」「カットバン」「サビオ」「リバテープ」など、地域によってさまざまな名称で呼ばれているので、「大判焼きなのか今川焼きなのか回転焼きなのか」の論争(?)に匹敵するくらい論じ合ってほしいと個人的に思っている絆創膏。

皆さんがイメージするのは、上の写真のようなオーソドックスなタイプがほとんどだと思います。
ただ、最近はモイストヒーリングだとか、液体(昔からありますが再注目されている感じ)だとか、多様な進化を遂げていますよね。
絆創膏である以上、擦り傷や切り傷、靴擦れといったいわゆる「浅い傷」に使われるのが一般的ですが、傷の状態や傷のできた部位によって使い分ければより効果的。

そこで今回は、絆創膏の種類と使い分けについてご紹介します。

傷用といえば「救急絆創膏」

ザ・王道ともいえる救急絆創膏。
不織布や綿布などでできているパッドと粘着テープが合体したものが主流です。
パッド部分にアクリノールやベンザルコニウム塩化物などの殺菌消毒成分を含ませた医薬品・医薬部外品の絆創膏や、薬剤を含んでいない医療機器の絆創膏があります(雑品もありますが、ここでは割愛)。
このタイプは、傷口を乾燥させて、かさぶたをつくって治すのでドライヒーリングとも呼ばれます。
一方、傷口から出る透明な液(滲出液)を患部に保持させて傷を早く治すモイストヒーリング(湿潤療法)と呼ばれるタイプの絆創膏(キズパワーパッドなど)もあります。

どう使い分けるの?

使い分けは簡単。
コスパ、患部の保護を目的とするならドライヒーリングタイプ
傷を早くキレイに治したいならモイストヒーリングタイプ
ただこれだけです。

傷の治りのスピードでいえば、モイストヒーリングタイプのほうが早いです。
というのも、
・滲出液には細胞の成長や再生を促す成分が含まれており治癒にとても重要
・傷口を密封するので、外部から細菌などの侵入を防いでくれる
といったメリットがあるためです。
また、傷あとの原因になりやすいかさぶたを作らないので、キレイに治ることもポイントです。

ただし、値段が高い…。
最近は少しずつ安くなってきていますが、「ちょっとケガしたから貼っちゃおっと」みたいなノリで買うにはまだ抵抗がある方も少なくないはず。

そういう点では、ドライヒーリングタイプが優位ですね。
お徳用タイプのお得感といったら…。
また、パッド部分が比較的厚いので、擦れて傷を負ってしまいそうな場所にあらかじめ貼っておくという使い方もできます。
使い勝手の良さでいえば、ドライヒーリングタイプに軍配が上がります。

モイストヒーリングタイプが適さない傷もある!

「傷を治すってだけならモイストヒーリングタイプのほうが絶対いいじゃん!」と思ったあなた。
実は、モイストヒーリングタイプが適さない傷もあるんです。

それは、感染の可能性がある、化膿している、出血が止まっていない、といった傷です。
モイストヒーリングタイプは、そのメカニズム上、患部を密封するため、傷口が感染していると菌が育つ温床に。
ペットにかまれた場合などは感染している可能性があるので、使わないようにしましょう。

固定用に使うけど、実は絆創膏に分類される「テープ絆創膏」

包帯やガーゼなどを患部に固定するために使われるテープも実は絆創膏の一種。
ニチバン テープバンなどが有名ですね。
包帯止めのいらない粘着包帯もテープ絆創膏の一つです。

一般的には、傷口をガーゼなどで覆い、テープ絆創膏で固定したり巻いたりして使うことが多いです。
そのため、傷自体は浅いものの、傷が広範囲に及ぶ場合に重宝します。
また、指先の保護用など、単独で使うこともできます。

剥がれやすいのはイヤという方におすすめの「液体絆創膏」

ふくらはぎのような平らな場所や、指の第二関節あたりであれば、貼りやすくて比較的剥がれにくい絆創膏。
一方、指先や指の付け根のような場所だと貼ってもすぐ剥がれてしまいますよね。
また、絆創膏を貼ったときのゴワゴワ感があまり好きじゃない人もいると思います。
そんな方におすすめなのが、サカムケアコロスキンに代表される液体絆創膏。

患部に塗ると短時間で乾いて傷口をカバー、剥がれにくいので水仕事にもぴったりです。
トリクロロカルバニリドなどの殺菌消毒成分が配合されている商品もありますが、患部を覆うだけの商品もあるので、パッケージ裏の成分をしっかり確認しておきましょう。
液体絆創膏のデメリットをあげるとすれば、大きい傷口には適していないことと、塗るときにしみるので一瞬だけ気合いを入れる必要があることです。


一口に絆創膏といっても、さまざまな種類があります。
どんな傷か、どの場所で範囲はどれくらいかなどを考慮しながら、適切なものをお選びください。