マメドラ――ドラッグストアに関する豆知識――「第3回:消毒薬」

世の中には、知っているようで意外に知らないことがたくさんありますよね。「どうして空は青いのか?」「人はなぜ生まれどこへ向かうのか?」のような自然の摂理や哲学はさておき、「知っているようで意外に知らない」そんなことがお近くのドラッグストアにも実はたくさんあるんです。ドラッグストアに関する豆知識、略してマメドラ、第3回は「消毒薬」に焦点を当ててお送りします。

目次

そもそも「消毒」って何?

「子どもが転んで擦りむいちゃった! 消毒しなきゃ!」(by 親)
「屋内に入るときは、手指をアルコール消毒しよう」(by 企業)
「汚物は消毒だ~!」(by 南斗○凰拳の使い手の部下)
などなど、日常生活で目に触れることの多い消毒

「消毒」とはいったい何なのでしょうか?
何となく知っていても、実はよく知らないなんて方もいるのでは?

消毒とは?

消毒とは、「病原菌などの病原微生物を殺菌・減少したり、病原性をなくしたりすることで、感染を予防すること」をいいます。
要するに、微生物を攻撃してやっつけたりパワーを奪ったりしているわけですね。そして、感染を防いでいると。
ちなみに、消毒の方法には2種類あり、この記事では「化学的消毒」である、私たちになじみ深い「消毒薬」について説明します。

(1)物理的消毒:熱水や煮沸、紫外線などによって消毒する
(2)化学的消毒:消毒薬によって消毒する
(おまけ)除菌や抗菌と何が違うの?

似たような言葉に、「除菌」「抗菌」がありますが、それぞれの意味は下記のとおり。

除菌:菌の数を除く・減らすこと(「殺」とか書いてないところがミソ)
抗菌:菌が増えないようにすること

要するに、あくまでも「増やさない」ことが大前提で、菌を殺したりしているわけではないんです(たとえば、除菌シートは、シートで拭き、物理的に菌を拭い取ることで菌を減らしています)。

ドラッグストアで買える消毒薬の種類は?

ドラッグストアで購入できる消毒薬は、目的に応じて2つに分けられます。

(1)傷口などの消毒
切り傷、擦り傷などの創傷面の化膿防止や、手指・皮膚の消毒を目的としています。

(2)器具などの消毒
食器やほ乳瓶のような器具からプールなどの大型設備まで、幅広い用途で使われます。

どちらも、個人感染や集団感染を防ぐために使われるわけですね。
また、器具などの消毒を目的とした消毒薬のなかには、手指・皮膚の消毒にも使えるものもあります。
ただし、薄めて使用するものも多いので、使用方法をしっかり確認して使いましょう。

これでバッチリ! 消毒薬の使い分け!

(1)傷口などの消毒

市販されている傷口などの消毒薬は表のとおりです。
手指・皮膚の消毒としては、ベンザルコニウム塩化物、クロルヘキシジングルコン酸塩、クロルヘキシジン塩酸塩、エタノールが使われることが多いです。
傷口用としては、ベンゼトニウム塩化物やヨードチンキが有名​ですが、ヨードチンキは色が服についてしまうことがあるので、使われなくなってきている傾向にあります。
ポビドンヨードうがい薬の定番といえる成分です。

(2)器具などの消毒

市販されている器具などの消毒薬は表のとおりです。
エタノールは、いちばん使われている消毒薬といっても過言ではないでしょう。
次亜塩素酸ナトリウムは、ほ乳瓶や食器の消毒からトイレ掃除まで幅広く使われている、ある意味最強の消毒薬です。ただし、使い方を間違えると有毒な塩素ガスが発生するので要注意です。
ジクロルイソシアヌル酸ナトリウムは、プールなどの大型設備に用いられることが多いですが、家庭ではほ乳瓶や浴槽の消毒にも用いられています。

消毒薬にはたくさんの種類がありますが、目的・用途を薬剤師・登録販売者に伝えれば適切な商品を選んでくれます。
お近くの薬局・ドラッグストアに足を運んだ際には、どういう商品をそろえているのか見てみてください。