新型コロナウイルス感染症の猛威は、あのSARS以上?【1月30日版】

新型コロナウイルス感染症が世界に拡大、ますます勢いを増しているようにも見えます。少し前に流行した「重症急性呼吸器症候群(SARS)」の中国国内の感染者数を早くも上回っているとか……。そうした感染症から、自分や家族を守る方法はあるのでしょうか?

目次

SARS、MERSの仲間? コロナウイルスって?

日々のニュースでも目にするとおり、新型コロナウイルス感染症が急速に拡大中。1月29日には、すでに中国での感染者数は5974人と、2002年~2003年に流行した「重症急性呼吸器症候群(SARS)」の中国国内の感染者数(5327人)を、わずか1カ月ほどで上回ってしまいました30日現在では、なんと感染者数は7711人、死者数は170人と急速に拡大しています。発生源と思われる中国にとどまることなく、さらに全世界に広がりつつあります。政府も28日、感染症法に基づく「指定感染症」と検疫法の「検疫感染症」に指定する政令を閣議決定しました。場合によっては、患者を強制的に入院させたり就業を制限したりすることができるというレベルのものです。WHOも、それまで「中程度」としていた世界的な危険性の評価を「高い」に改める(単純に記載ミスだったそうですが)など、深刻さが伝わってきますね。
このコロナウイルス、これまでにない型だということから、新型とされ、「2019-nCoV」と名付けられました。で、コロナウイルスというと、「あれ、そういえばどこかで聞いたことが……」という方も多いのではないでしょうか? そう、2002年~2003年に流行した「SARS(重症急性呼吸器症候群)」、2015年に流行した「MERS(中東呼吸器症候群)」もコロナウイルスでした。MERSは「中東」と名が付いていることからわかるように、サウジアラビアやアラブ首長国連邦など中東地域で広く発生している呼吸器感染症です。一方、SARSは今回と同じく中国から広がった(当時は広東省が中心だった)ウイルス性の呼吸器感染症です。新型ということで、当然治療法が確立されていない&免疫がないことから、急速にアウトブレイク(想定外の感染拡大)しているというわけですね。

感染拡大を防ぐ手立てはあるのか?

あのときの恐怖が再び……、と怖がるばかりではどうしようもありません。相手が同類ということで、人間様にもある程度の対策はわかっています。コロナウイルスは、消毒用アルコールや界面活性剤(端的にいうと洗剤ですね)での洗浄で不活化すること(感染する力が弱まること)が知られています。また、インフルエンザなどと同じく、「飛沫感染(ひまつかんせん)」と「接触感染」が主な感染経路と考えられています。感染者がせきやくしゃみをし、飛び散ったウイルスに触れた人が、それを口や鼻に入れてしまう、というあれです。

これらのことから、ある対策が非常に重要、かつ効果的であることが導き出せます。それは、そう、石けんなどを使った「手洗い」 何はともあれ「手洗い」! 「なんだそんなこと」と思わないでいただきたい。コロナウイルスに限らず、かぜなど呼吸器に障害を起こす感染症にかかってしまうのは、手にウイルスが付いたまま、その手を口や鼻につけたことで侵入を許してしまうというケースが大半なのです。

お待ちかねの対策はこちら!

さらに、国民を救うため首相官邸のWebサイトでは、「新型コロナウイルス感染症に備えて ~一人ひとりができる対策を知っておこう~」というページが新設されています。ここには、簡単なコロナウイルスの説明や注意点のほか、「正しい手の洗い方」や「正しいマスクの付け方」なども、わかりやすいイラストとともに掲載されています。このほか、厚生労働省は、「新型コロナウイルスに関するQ&A」のページも用意しています。

折しも、中国では春節(旧正月)ということで、中国からの旅行者も多く来訪していることもあり、外国人観光客が具合を悪くした場合の対策も、厚生労働省から通知が出ています。そのうちのひとつ、その名も「具合が悪くなったときに役立つガイド」では、外国人対応ができる医療機関を検索できるほか、英語、中国語(繁体、簡体)、韓国語、タイ語、日本語で読める「医療機関ご利用ガイド」も用意されているので、何かあればこちらを見せてあげるのも助けになるかもしれませんよ。その他、感染症に関する情報は、以下を参考にしてくださいね。
感染症に関する情報一覧
国立感染症研究所「感染症発生動向調査 週報(速報)」
週ごとの感染症発生数など、流行の動向を把握できます。

厚生労働省「感染症情報」
感染症に関する情報がまとめられています。

東京都感染症情報センター「各地の感染症情報(地方感染症情報センター一覧)」
東京都感染症情報センターのページですが、全国の情報センターの連絡先などがまとめられています。

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外国人旅行者が困ったときでもここを見れば対応医療機関がわかります。

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