軟膏、クリーム、ローション…何がどう違うの?

いざ薬を買おうとしたときに目に入る、商品名に書いてある「軟膏」「クリーム」「ローション」の表示。「成分は同じなんだから、どれもいっしょでしょ?」と思う方も多いはず。実はけっこう違ってくるんですよ。

目次

有効成分や効き目はどれも同じ

結論から言ってしまうと、有効成分の構成が同じ商品であれば、軟膏やクリームなど薬の形(剤形といいます)が違っても、効き目(効能・効果)はどれも同じです。
正しく用法・用量を守れば、体内に入る有効成分の量は同じだからです。
「実はクリームより軟膏のほうが効きやすい」みたいなびっくり情報はいっさいないのでご安心(?)ください。

では何が違うんでしょうか?

基本的な違いとして、
・成分を溶かしているベース(基剤ともいいます)が「油」「水&油」「水」のどれか
という点があり、それがダイレクトに関係するのが、
・傷口への刺激具合
・ベタつき具合
など。
使用するにあたって、けっこう違ってくるんです。

実際に、それぞれの剤形で何が違うのか見ていきましょう。

…え? このくだりをどこかで見たことがあるって?
そう思った方はこちらをもう一度チェックしてみてくださいね(満面の笑み)。
錠剤、カプセル、粉薬などなど…何がどう違うの?

刺激を少なくしたいなら、油ベースで作られた「軟膏」

軟膏の大きな特徴は、油をベースに作られていること(ここでは例外には触れません)。
ベタつきは強いですが、水をはじくので皮膚を保護する効果があります。

どういうときに使えばいいの?

水に触れるとしみて痛いような患部に使うのがおすすめ!
水をはじくので、患部への刺激を抑えてくれるんです。
患部がジュクジュクしているような傷や水虫に適しています。

ネットパイロティング(株)_どう違うの?「軟膏」_2010

ベタつきを抑えたいなら、水&油ベースで作られた「クリーム」

クリームの大きな特徴は、水&油をベースに作られていること。
水分を含んでいるので、ベタつきが少なく、使用感がとてもいいんです。
また、水で簡単に洗い流せるのも特徴です。

どういうときに使えばいいの?

使用感で選びたいときや、カサカサと乾燥した患部に使うのがおすすめ!
水分を含んでいるので、患部へ浸透しやすいですよ。

ネットパイロティング(株)_何がどう違うの?「クリーム」_2010

軟膏とクリームで迷ったらどちらを選べばいいの?

そんなときは、軟膏一択です!
実は、軟膏は患部への刺激を抑えるだけでなく、ジュクジュクしたりカサカサしたりといった患部の状態によらず使えるオールマイティタイプ
迷ったら、ぜひ軟膏を選びましょう。

広い患部に使うなら「ローション」

ローションの大きな特徴は、水やアルコールをベースに作られていること。
油を含んでいないので、クリーム以上にさらさらとした使用感があります。

どういうときに使えばいいの?

ローションは、伸びが非常に良く、すっとなじむので、広い患部などに使う場合におすすめ!
ただ、しみやすいので傷のない患部に使うようにしてください。


いかがでしたか?
用途や使用感に応じて、ぜひ使い分けてみてください。