すさんだ心も「マインドフルネス」で癒やす?【キタコレくしょん】

「今キテる!」「これからきそう!」なヘルスケア&ビューティーのワードを紹介していく「キタコレくしょん」。今回の「キタコレ」は、メディアで目にすることが増えてきた「マインドフルネス」をとりあげます。

目次

ヨガ? 宗教? 医療?

「ストレス解消に有効」などで最近よく聞く「マインドフルネス」って何? 紹介している媒体によっては、“瞑想して自分を浄化”…ってあやしい、あやし過ぎる! でも、実はちゃんとした医学に裏付けられた心のケア方法なんです。近年は、パニック障害やうつ病の治療といった分野でも採用されることが増えていて、Googleなどの先進企業でも社員研修に取り入れられているほど。
というわけで、ステイホームで心がすさんだ人にも試してもらいたい「マインドフルネス」を、そのやり方を含めて紹介していきます!

東洋の神秘と西洋医学のコラボ!

「マインドフル」って、「意識でいっぱい」ってこと…? それがなんで心のケアに繋がるの?
「マインドフルネス」とは、“今この瞬間の体験に気づき、ありのままにそれを受け入れる方法”のこと。それを体現するための手法としてよく瞑想を行います。この瞑想、仏教の修行がもとになっているそう。お坊さんの修行といえば、「雑念を払い、心を無にして、何も考えないように…」というイメージですが、「マインドフルネス」では、意識を呼吸に集中します(“心頭滅却”しなくてOK。“全集中”でもありません)。もっというと、おなかが膨らんだりへこんだりしていることを認識して、「あ、呼吸できているな」と感じることが重要。途中で気が散ってしまっても、それを責めたりせず、また呼吸に意識を戻す。これを繰り返すことで、気持ちが落ち着いてくるというわけです。

なんでも、人が心の病におかされている状態を、精神医学的には、「悩みにとらわれて(巻き込まれてしまって)いる」、と考えるそう。「悩みに巻き込まれてしまった」患者の多くは、その状況を把握する余裕すらないために、そこから抜け出すことができず、さらに悩んでしまう…。この負のスパイラルから抜け出すには、現在の自分に意識を向けることが大切というわけです。

そこで、まずは自身の呼吸という、最も基本的で誰でも行っている行為に意識を向け、
ありのままの自己を認識

落ち着いて状況を把握

悩みから抜け出す!

というわけ。
なるほど、スピリチュアルなようでいて、意外と論理的、そして誰にでも実践できるものなんですね!

実際どうやればいいの?

「じゃあ、実際どうやればいいの?」そんな方のために、瞑想法の一例をご紹介しましょう。
慶應義塾大学 ストレス研究センターの「マインドフルネス瞑想 動画・音声のご紹介」のページには、誰でも瞑想の仕方がわかる動画が掲載されています。

こちらを参考に、床に座って瞑想する場合の姿勢についてカンタンにまとめると、
・体の前で足を組んで座る。ムリして座禅する必要なし。リラックスできる姿勢でOK。
・腰やおしりと左右の足との3点でしっかりと地面に接地していることが大切。クッションなどに座り、腰の位置を高くすると安定しやすい。
・背筋はピンとまっすぐに。背骨で自然に体を支える感じで。
・肩もリラックス。一度両肩をぐっと上げてから、ストンと落とした状態がベスト。
・手は、両肘から先を太ももの上に載せる。
・目は閉じるか、軽く開けておく。開けているときは斜め下に視線を。
という感じ。

また、椅子に座った状態で行うなら、
・足を組む代わりに背筋を伸ばして椅子に座る。
・背中は背もたれから離す。背骨で体を支える感じに。
・両足は床にしっかり置いて安定させる。
その他、肩、手、目は先ほどと同様。

次に呼吸ですが、
・ゆっくりと息を吸って吐くことを繰り返す。
・吸うときに胸やおなかが膨らみ、吐くときにへこむのを感じる。
・ムダな力が入らないように。
・1回ごとの感覚の変化に注意を集める。
・意識するのは、胸でもおなかでも鼻でもOK。
・あれこれ考えず、呼吸に伴う感覚をただそのまま感じる。
・注意が別に向かったときは、また呼吸に戻す。
これの繰り返し。

ある程度やって気持ちが落ち着いたら、閉じていた目をゆっくり開け、目に光が入ってくることをただ感じて終わればいいそうです。

「Don't think. Feel!」

上記をものすご~く、単純化すると、「安定した姿勢でリラックスし、ただただ呼吸に意識を向ける」、とこれだけ。実際に試してみると、最初はほかのことを考えてしまいがちですが、「呼吸を意識する」ことに集中できると、体がリラックスしてくるのがわかります。呼吸に集中することでほかのことを考えなくなるのはもちろんですが、呼吸を介して自分の意識をコントロールできていることが、心の病を癒やすために重要なのだそう。
「考えるな、ただ感じろ!」それが「マインドフルネス」の瞑想法。コロナ禍でストレスがたまりがちな皆さんも、一度試してみては?