二日酔にはどっち?【漢方薬vs.西洋薬! 第2回】

ドラッグストアに並んでいる漢方薬と西洋薬。どうやって選べばいいのか、悩んだことはありませんか? 今日もドラッグストアでは、漢方薬と西洋薬が会話をしているようですよ…。

「五苓散」vs.「L-システイン製剤」

L-システイン製剤(以下、エルシス嬢):あら、あのお客様、きっと二日酔ね。青い顔して、ドリンク剤のコーナーで迷っていらっしゃるわ。そんなものより、あたくしを選べばいいのに…。

五苓散(以下、五苓さん):相変わらずえらい自信ですね、エルシスさん。

エルシス嬢:あら五苓さん、いらしたの。だって、あたくしのパッケージにはちゃんと「二日酔」って書いてあるのに、あたくしが二日酔を改善して差し上げられることをご存知ない方が多くて、イラッと…あ、いえ、残念に思ってますのよ。

五苓さん:まあ、エルシスさんはシミ・そばかすの薬だと思われがちですもんね。

エルシス嬢:フン、あなたなんて何の薬だかわからないと思われてるくせに。

五苓さん:ひどいな、ケンカ売ってるんですか?

エルシス嬢:そんなことありませんわよ、金持ちケンカせずって言うでしょう。
五苓さん:(売れてるからってえらそーに…)でもぼく、あの「今でしょ!」で有名な先生のテレビ番組で、「二日酔に効く」って紹介してもらえたんですよ。

エルシス嬢:何ですって!?

五苓さん:うらやましいでしょ?

エルシス嬢:う、うらやましくなんかありませんわよっ!

五苓さん:あのおかげで、少しはぼくが二日酔に効く薬だってことを知ってもらえたみたいなんですけど、どんな二日酔にも合うわけじゃないんで、そこらへんをもうちょっと知ってもらえたらなと。

エルシス嬢:そうよね、あたくしみたいに純粋に「二日酔」ではなくて、しちめんどくさい条件付きですわね、あなたは。

五苓さん:(なんかいちいちトゲがあるよね、このひと…)
L-システイン製剤の効能・効果(一例)>
・しみ、そばかす、日やけなどの色素沈着症
・全身倦怠
・二日酔
・にきび、湿疹、じんましん、かぶれ、くすりまけ
五苓散の効能・効果
体力に関わらず使用でき、のどが渇いて尿量が少ないもので、めまい、はきけ、嘔吐、腹痛、頭痛、むくみなどのいずれかを伴う次の諸症:
水様性下痢、急性胃腸炎(しぶり腹(注)のものには使用しないこと)、暑気あたり、頭痛、むくみ、二日酔
(注)「しぶり腹」とは、残便感があり、くり返し腹痛を伴う便意を催すもののことである。
五苓さん:でも確かにそうなんですよね。エルシスさんのパッケージには潔く「二日酔」って書いてあるけど、ぼくのパッケージには「のどが渇いて尿量が少ない」とか、はきけとか嘔吐とかむくみとか、そういう条件があるひとの「二日酔」なんですよ。

エルシス嬢:どうしてそんなことになっちゃったんですの?

五苓さん:ぼくはね、二日酔の薬っていうより、体内で水分の処理がうまくいかないひとのための薬なんです。人間の体の約60%は水分だなんていわれますけど、体内にも水分がたくさんあるべきところと、あり過ぎちゃいけないところがある。

エルシス嬢:そうなの?

五苓さん:ぼく漢方薬なんで、これ漢方の考え方です。で、水分の分布っていうか、存在する場所がおかしいと、のどが渇くのにむくむとか、水っぽい下痢しちゃったりとか、水分ばっかり吐いたりとか。お酒を飲むと、水分の分布がおかしくなりやすいんですよ。だから、水分代謝を整えることで、二日酔の症状も改善していくのが、ぼくの役目です。

エルシス嬢:ふうん。あたくしも代謝の薬だけど、肝臓びいきですのよ。

五苓さん:アルコールの分解は肝臓でやってますもんね。アルコールを飲むと真っ赤になるとか、アルコールの分解に時間がかかっていつまでも頭痛がするようなひとには、肝臓の代謝を高めてあげるとよさそうですね。

エルシス嬢:二日酔になりやすい、なりにくいっていうのも、体質差が大きいみたいですものねえ。体質に合うものを選んでいただければよろしいのかしらね。

五苓さん:そういうことかもしれませんね。あっ、お店の人がお客様を案内してきましたよ。

エルシス嬢:あらやだ、ちょっとメイク直さなくちゃっ!

五苓さん:結局選ばれたいんじゃないですか…。
<結論>
肝臓でのアルコール代謝を助けたいなら、「L-システイン製剤」!
吐き気や下痢、むくみのある二日酔には、「五苓散」!