「薬用」とは?――ドラッグストアの処方せん

普段、何気なく買い物をしているドラッグストア。もはやなくてはならない存在です。そんなドラッグストアのことを、どこまで知っていますか? そもそもドラッグストアって何なのでしょうか? そんな疑問にお答えする「ドラッグストアの処方せん」、今回は、「『薬用』とは?」についてです。

「薬用化粧品」は、医薬品でも化粧品でもない!?

薬用石けん、薬用歯みがき、薬用化粧品など、「薬用」と付く商品はいろいろありますが、これらは法律的に、医薬品でも化粧品でもなく、「医薬部外品」に分類されます。

医薬部外品とは、ドラッグストアなどで購入できる医薬品(一般用医薬品)と同じような目的で使用されるものですが、一般用医薬品が「人体に対する作用が『著しくない』もの」(医薬品医療機器等法※第4条第5項第4号)と定義されているのに対し、医薬部外品は「人体に対する作用が『緩和』なもの」(同法第2条第2項)と定義されています。
具体的には、上記の「薬用●●」3種類のほか、浴用剤、殺虫剤、ビタミン剤などがあります(殺虫剤やビタミン剤は、医薬品に分類されるものもあります)。

医薬部外品は一般用医薬品と違って、販売に際し、薬剤師や登録販売者がかかわる必要がありません。そのため、ドラッグストアだけでなく、コンビニやスーパーなど一般の小売店でも買うことができます。なお、医薬品は、薬局やドラッグストア(店舗販売業)でしか買うことはできません。

医薬部外品のパッケージには、「医薬部外品」(浴用剤など)、「防除用医薬部外品」(殺虫剤など)、「指定医薬部外品」(ビタミン剤など)のいずれかが表示されていますので、一度確認してみるのもいいかも。

●医薬部外品の定義
医薬品医療機器等法律 第2条
2 この法律で「医薬部外品」とは、次に掲げる物であつて人体に対する作用が緩和なものをいう。
一 次のイからハまでに掲げる目的のために使用される物(これらの使用目的のほかに、併せて前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物を除く。)であつて機械器具等でないもの
イ 吐きけその他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止
ロ あせも、ただれ等の防止
ハ 脱毛の防止、育毛又は除毛
二 人又は動物の保健のためにするねずみ、はえ、蚊、のみその他これらに類する生物の防除の目的のために使用される物(この使用目的のほかに、併せて前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物を除く。)であつて機械器具等でないもの
三 前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物(前二号に掲げる物を除く。)のうち、厚生労働大臣が指定するもの
※「前項第二号又は第三号」とは、「医薬品」を定義する条文のこと。