2021年1月7日 更新

知ってほしい! 身近にある危険「着衣着火」

着衣着火、ちゃくいちゃっか、チャクイチャッカ……早口言葉かな? いや、ロシアの地名? それはカムチャツカか。そういえば、懐かしい響きの「激おこぷんぷん丸」のレベルが上がると「ムカ着火ファイヤー」、さらに怒りが強まると「カム着火インフェルノォォォオウ」だって知っていましたか? インフェルノって、猛火、烈火、地獄のような光景のこと。怖い! そう、着衣着火は怖いのです(やや強引!?)。

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着衣着火に気をつけて

誰にでも起こりうる「着衣着火」。文字そのまま、着ている衣服に引火して起こる事故のことです。非常に危険! そしてコンロの火などにうっかり近づき過ぎてしまったときに起こる身近な事故なのに、あまり知られていません。

認知度が低い割に、実は死者が出るほどの重大な事故である着衣着火。東京消防庁によると、近年の着衣着火件数と死者(括弧内)は、2017年が38件(3人)、2018年が35件(4人)、2019年が48件(2人)。そのうち、コンロを出火原因とする火災が7割以上で、その死傷者は女性が男性の3倍以上、年代別で最も多いのは80代です。

高齢女性に多い理由

なぜ、高齢者、それも女性に多いのでしょう。

原因のひとつに、加齢による色覚異常で青い炎が見えづらいことがあげられます。参天製薬のサイト「色覚異常とは」のなかの「高齢者の火災事故」の項目に、ガスバーナーの青い炎の見え方シミュレーション画像が載っています。

20代と80代では、見えている炎の色も大きさもぜんぜん違います! 加齢に伴い、徐々に見え方が変化するので、自分では気づきにくいのでしょう。そして、高齢者は、世代的に女性の方がキッチンに立つ機会が多いので、高齢女性の着衣着火が多くなってしまうんでしょうね。

活用したい防災アイテム

現代では、男性も調理をするのが当たり前になってきました。老若男女みんなで防災意識を高めていきたいものです。

難燃性のアームカバーやエプロンが市販されているので、活用するとよさそうです。高齢の方にプレゼントするのもいいですね。ひとり暮らしの方には、火を使わず調理できる、卓上タイプのIHクッキングヒーターもおすすめです。

こんなシーンでも要注意

着衣着火のうち、最も多いのがコンロを出火原因とする火災ですが、ほかにも危険はいっぱいです。仏壇のろうそく、ライター、夏は花火も要注意。また、アウトドアブームもあって、たき火をするときも油断禁物です。
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↑そうそういないとは思いますが、こんなことをしようとしている人がいたら「激おこムカ着火ファイヤーだよ!」と声をかけ、「え? 何それ?」と思わせて動きを止めましょう。また、小さな子どもが火に近づき過ぎないように、大人が必ず見ているようにしてくださいね。

「止まれ、倒れろ、転がれ」

万一、自分の着ている衣服に火がついたら……恐怖で頭が真っ白、火から逃げたいあまりに走ってしまうかもしれません。でもそれは火に油ならぬ新鮮な酸素を供給することになり、ますます燃えてインフェルノ(猛火、烈火、地獄のような光景)となるので絶対禁止。生きたまま燃えるなんて、本当に地獄です……。

ここで紹介したいのが、アメリカの子どもたちは(たぶん)みんな知ってる「Stop Drop and Roll」つまり、「止まれ、倒れろ、転がれ」です。参考に、静岡県袋井市の消防署が作成した動画をどうぞ。

着衣着火の対処法!!(ストップ、ドロップ&ロール)

火がついても、慌てて走らず、まずストップ。そして地面に倒れて、燃えている部分を地面に押しつけ、そのままごろごろと右へ左へ転がります。これで酸素供給を絶ち、窒息消火するのです。

日本でも、子どもから大人まで、みんなが身につけておきたい消火方法です。もしものときに命を守るために、「止まれ、倒れろ、転がれ」を練習してみてください。そして、周囲の方にもぜひ教えてほしいなあと思います。
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