冬は空気が乾燥する季節……なんですよね?
毎年冬になると、唇のあれや手足のひび・あかぎれなどに悩まされる人も多いはず。こうした症状は、気温の低下や空気の乾燥などの影響で起こることが知られています。
つまり、「冬は空気が乾燥する季節」……のはずなのに、冬に洗濯物を干しても乾きが遅いと思いませんか? 冬のよく晴れた日、朝から夕方まで外に干しておいても、取り込むとき、なんとなく湿っていると感じることさえあります。
「実は、夏のほうが冬より乾燥しているとか?」と調べてみたのですが、気象庁によれば、2019年6月~8月の平均湿度は「80~89%」、2019年12月~2020年2月の平均湿度は「55~66%」と、やはり「冬のほうが夏より乾燥している」ようです(そりゃそうですね、夏はムシムシしますから)。
なんだかよくわからなくなってきたので、真剣に調べてみました。
つまり、「冬は空気が乾燥する季節」……のはずなのに、冬に洗濯物を干しても乾きが遅いと思いませんか? 冬のよく晴れた日、朝から夕方まで外に干しておいても、取り込むとき、なんとなく湿っていると感じることさえあります。
「実は、夏のほうが冬より乾燥しているとか?」と調べてみたのですが、気象庁によれば、2019年6月~8月の平均湿度は「80~89%」、2019年12月~2020年2月の平均湿度は「55~66%」と、やはり「冬のほうが夏より乾燥している」ようです(そりゃそうですね、夏はムシムシしますから)。
なんだかよくわからなくなってきたので、真剣に調べてみました。
冬の洗濯物が乾きにくい理由
「洗濯物が乾くメカニズム」については以下の記事にも書かれていますが、
簡単に言えば、洗濯物に含まれた水分が蒸発して(水蒸気となって)、周りの空気へと移動するためです。なお、空気が取り込める水分量には限界があり、「これ以上ムリ!」というとき(飽和状態)の水分量を、「飽和水蒸気量」といいます。
一般的に空気の湿り具合を表す「湿度(相対湿度)」とは、飽和水蒸気量に対して、空気にどれぐらい水が含まれているのかを表すもの。たとえるなら、駐車場(空気)の最大駐車台数(飽和水蒸気量)に対して、どれぐらい車(水)がとまっているかという満車具合を%で表したものです。
ただ、この飽和水蒸気量、厄介なことに空気の温度で変わるんです。たとえば気温35℃のときの飽和水蒸気量は39.6g/立方メートルですが、気温10℃のときは9.4g/立方メートルと、4分の1以下になってしまいます。温かくなると駐車場が大きくなり、寒くなると駐車場が小さくなるようなイメージですね。
そこで、ためしに「ムシムシした夏の空気(気温35℃・湿度70%)」と「カラッとした冬の空気(気温10℃・湿度40%)」で、残りどれくらいの水分を取り込めるか比べてみると……
一般的に空気の湿り具合を表す「湿度(相対湿度)」とは、飽和水蒸気量に対して、空気にどれぐらい水が含まれているのかを表すもの。たとえるなら、駐車場(空気)の最大駐車台数(飽和水蒸気量)に対して、どれぐらい車(水)がとまっているかという満車具合を%で表したものです。
ただ、この飽和水蒸気量、厄介なことに空気の温度で変わるんです。たとえば気温35℃のときの飽和水蒸気量は39.6g/立方メートルですが、気温10℃のときは9.4g/立方メートルと、4分の1以下になってしまいます。温かくなると駐車場が大きくなり、寒くなると駐車場が小さくなるようなイメージですね。
そこで、ためしに「ムシムシした夏の空気(気温35℃・湿度70%)」と「カラッとした冬の空気(気温10℃・湿度40%)」で、残りどれくらいの水分を取り込めるか比べてみると……
・気温35℃・湿度70%=39.6-(39.6×0.7)=11.88g/立方メートル
・気温10℃・湿度40%=9.4-(9.4×0.4)=5.64g/立方メートル
・気温10℃・湿度40%=9.4-(9.4×0.4)=5.64g/立方メートル
なんと「ムシムシした夏の空気」のほうが、「カラッとした冬の空気」の2倍以上も水分を取り込む余裕があるという結果に。冷たい冬の空気は、そもそも水分を取り込める量が少ないため、洗濯物が乾きにくいんですね。
冬に肌が乾燥するのはどうして?
……でもちょっと待ってください。冬の空気は、夏の空気よりも水分を取り込める量が少ないはずなのに、乾燥による唇のあれや手足のひび・あかぎれは、なぜ冬に多くみられるのでしょう?
結論から言ってしまえば、これは人間が環境に左右されずに、体温を一定に保つことができる恒温動物であることが原因のようです。
体表面の温度は一定なので、肌と接している部分の空気は温められます。ところが、空気に含まれた水分量は冷たいときのまま。つまり、空気の温度が上がった(飽和水蒸気量が大きくなった)ことで、結果的に湿度が下がってしまいます。こうしてできた、体を包む「乾燥した空気」により、唇や肌の水分が奪われてしまうのです。
結論から言ってしまえば、これは人間が環境に左右されずに、体温を一定に保つことができる恒温動物であることが原因のようです。
体表面の温度は一定なので、肌と接している部分の空気は温められます。ところが、空気に含まれた水分量は冷たいときのまま。つまり、空気の温度が上がった(飽和水蒸気量が大きくなった)ことで、結果的に湿度が下がってしまいます。こうしてできた、体を包む「乾燥した空気」により、唇や肌の水分が奪われてしまうのです。
冬の洗濯物を上手に乾かす方法
……と理屈がわかったところで、最後に「冬の洗濯物を上手に乾かすためのポイント」をご紹介しましょう。
■基本は部屋干し
衣類乾燥機や浴室乾燥機があればベストですが、持っていない人でも大丈夫。エアコンやストーブなどの暖房器具で室温を上げれば、飽和水蒸気量が大きくなって部屋の湿度は低くなります。さらに、洗濯物の乾燥には空気の動きが大切。サーキュレーターや扇風機などを使って、洗濯物に風が当たるように干せば、乾燥時間を短縮できます。洗濯物から蒸発した水分が、加湿器代わりにもなって一石二鳥!
■部屋干しに合った洗剤を
冬の衣類は厚手のものが多いため乾くまで時間がかかってしまい、残った湿気と繁殖した雑菌により、生乾き臭が発生することも。そこで“早く乾く”という「トップ ハレタ」(ライオン)や、「アタック3X」(花王)、「アリエール バイオサイエンス ジェルボール 部屋干し」(P&G)のような、部屋干しに適した洗剤を使うのがおすすめです。
■脱水時間は長めに
洗濯物に含まれている水分が少ないほど、乾くのが早くなります。そこで脱水時間を長めにとりましょう。とくにデニムのように素材が厚手の衣類は、2回脱水をかけると効果的です。
■乾いたあとに天日干し
洗濯物を日光にあてることで、紫外線による殺菌効果が期待できます。また、外の風にあてることで脱臭効果も……。冬晴れの日には、室内干しで洗濯物を乾かしたあと、短時間でもいいので外に干しましょう。
■基本は部屋干し
衣類乾燥機や浴室乾燥機があればベストですが、持っていない人でも大丈夫。エアコンやストーブなどの暖房器具で室温を上げれば、飽和水蒸気量が大きくなって部屋の湿度は低くなります。さらに、洗濯物の乾燥には空気の動きが大切。サーキュレーターや扇風機などを使って、洗濯物に風が当たるように干せば、乾燥時間を短縮できます。洗濯物から蒸発した水分が、加湿器代わりにもなって一石二鳥!
■部屋干しに合った洗剤を
冬の衣類は厚手のものが多いため乾くまで時間がかかってしまい、残った湿気と繁殖した雑菌により、生乾き臭が発生することも。そこで“早く乾く”という「トップ ハレタ」(ライオン)や、「アタック3X」(花王)、「アリエール バイオサイエンス ジェルボール 部屋干し」(P&G)のような、部屋干しに適した洗剤を使うのがおすすめです。
■脱水時間は長めに
洗濯物に含まれている水分が少ないほど、乾くのが早くなります。そこで脱水時間を長めにとりましょう。とくにデニムのように素材が厚手の衣類は、2回脱水をかけると効果的です。
■乾いたあとに天日干し
洗濯物を日光にあてることで、紫外線による殺菌効果が期待できます。また、外の風にあてることで脱臭効果も……。冬晴れの日には、室内干しで洗濯物を乾かしたあと、短時間でもいいので外に干しましょう。
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