2020年6月18日 更新

水がたまるタイプの除湿剤。その効果は?

ドラッグストアでよく見かける、タンクタイプの湿気取り。いつの間にか水がたまっている様子から、なんとなく「こんなに湿気を吸ったんだなあ」と思いますが、実際、どの程度の効果があるのでしょうか。

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そもそもなぜ水がたまるのか

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徐々に、除湿剤が必要な季節になってきました。ドラッグストアでは、さまざまな除湿剤が販売されていますが、なかでも白い粒が入ったタンクタイプは、安くて置くだけという使いやすさから、愛用している人も多いのではないでしょうか。

湿気を吸収すると“水”になる白い粒。市販の除湿剤の多くは、この粒に「塩化カルシウム」という物質を採用しています。

タンクに“水”がたまる理由は、塩化カルシウムの性質にあります。塩化カルシウムは、食品添加物として、豆腐やチーズを固めるのに使われることもありますが、一方で、空気中の水分を吸収して液体になる「潮解」という性質が強い物質でもあります。

なので、タンクに“水”がたまるということは、その分だけ塩化カルシウムが空気中の水分を取り込んだということなんです。なるほど、たまった“水”の分だけしっかり除湿しているといえそうです。

なお、タンクにたまる“水”は、ただの水ではなくて、塩化カルシウムの水溶液です。誤って皮膚についた場合は、すぐに水洗いしましょう。また、皮革製品につくとシミになったり、金属につくと錆びたりすることがあります。その場合、水で洗い流すか、水洗いできない場合は、ベトつきがなくなるまで水拭き・カラ拭きしましょう。

部屋の空気中にどれだけの水分があるのか

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せっかく除湿剤を置いているのに、お気に入りの服にカビが生えた。タンクにたくさん液体がたまったけど、空気は変わらずムシムシしている。何よりぜんぜん涼しくならない! そう思ったことがある人、私以外にもいることでしょう!?

除湿剤は、カビを防止するのでも、部屋を涼しくするのでもなく、空気中の水分を吸収するものです。結果としてカビの防止につながることはあるかもしれませんが、防カビ剤などとは違います(防カビ成分が配合された除湿剤もありますが、「除湿剤」と書かれたものであれば、あくまで“除湿”が目的です)。

なので、除湿剤を効果的に使いたい場合は、水分を含んだ空気がたまりやすい下(床)のほうや、空気が停滞しやすい部屋の四隅に置くとよいとされています。また、空気の移動が少ない密閉した空間で使用すると、より効果的とされています。

除湿剤を使い切ると、タンクには400mLとか500mLとか、商品ごとに表示されている除湿量分の液体がたまります。見た目には結構除湿してそうな感じですが、とはいえ、部屋にどの程度の“湿気”があるのかによって話は変わってきます。

そこで、中学校の理科で習った「飽和水蒸気量(1立方メートルの空気中に含むことができる水蒸気の最大量)」から、湿度が高いこれからの季節の“湿気”を推測してみます。

気象庁の記録によれば、2019年6月~8月の3カ月間、東京における平均気温は24.8℃平均湿度は83%。気温を約25℃とすると、飽和水蒸気量は約23g(ネットで検索するとすぐ出てきます)。これに湿度を掛けて1立方メートル当たりの水蒸気量を計算すると、

23g×0.83=19.09g

これが東京の、梅雨から夏にかけての湿気(空気中の水分量)です。
トイレの個室で便座に座っているくらいのスペースに、グロンサン内服液」(20mL)や、宇津こどもドリンクA」(20mL)を1本ぶちまけたような感じ、と考えれば…わかりにくいですね。

1部屋の水蒸気量は、これに部屋の容積をかければいいので、仮に8畳、天井高2.4mとすると、容積は[1.62平方メートル(※)×8畳]×2.4m=31.104立方メートル なので、8畳間に含まれる水蒸気の量は、

19.09g×31.104立方メートル=593.77536g

となります。

※1畳=1.62平方メートル(「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」不動産公正取引協議会連合会」)

もちろん、部屋の通気性や、建材、人の出入りなどの状況によって違ってきますが、大体、東京の夏、8畳部屋には、健康ミネラル麦茶」(600mL)1本分の水蒸気があるということになります。

なお、同様に、最も乾燥する12月~1月の3カ月の水蒸気量を計算してみたところ(2018年~2019年/東京/平均気温:7.0℃/平均湿度:57%)、

1立方メートル当たり約4.4g
8畳当たり約137g

と、一部屋ではオロナミンCドリンク」(120mL)1本より少し多いくらいの水蒸気量となりました。夏と比べて、4倍~5倍もの差があるんですね。

じゃあ除湿剤の効果はどんなものか

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市販されている除湿剤の「標準除湿量」は、大体400~500mLくらいのものが一般的ですから、理屈でいえば、夏、湿気の移動がない密閉した6畳~8畳の部屋にタンクタイプの除湿剤を一つ設置すれば、いつの間にかすべての水蒸気を吸収してくれるということになります(もちろん、いろんな条件があるのでそんなことは不可能でしょうが)。

なお、パッケージに記載されている「標準除湿量」というのは、「25±2℃、湿度(80±5)%の雰囲気中に、(略)有効期間(有効期間に幅がある場合は、その最大とする。)の間置いたときの除湿量」と規定されています(日本産業規格「家庭用除湿剤」)。つまり、有効期間が3カ月であれば、3カ月間で除湿した総量ということ。

パッケージにはそのほかに、「使用方法(「平らな場所で使用すること」など)」や「使用環境(「密閉性を高くした環境で使用すること」など)」なども記載されています。つまり、使用方法を守って設置すれば、大体標準除湿量くらいの除湿ができますよ、ということです。適当に設置しただけでは、表示されている「標準除湿量」どころか、ぜんぜん水がたまらない! なんてこともあり得るわけです。

除湿剤の効果を最大限発揮するには、ただやみくもに使用するのではなく、パッケージに書かれた使用方法を守って使用することが重要なんですね。

これから湿気が気になる季節。ドラッグストアには、さまざまな除湿剤が並びます。クローゼットや靴箱の湿気対策に、除湿剤を上手に活用しましょう!
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