2020年12月21日 更新

コロナ禍でリスク上昇中! 全身の機能低下につながる「オーラルフレイル」

昨年の写真を眺めていたら、ノーマスクで密着して飲食しながら大笑い! えっこれ、一年前のこと!? はるか遠い昔の記憶のようだよ……。今の自分、おしゃべりは少なくなって、ごはんはもくもくと食べて、寡黙な一匹狼のアサシンごっこをしているんだぜ。――それでいいのさ……と、セルフ洗脳でここまで来たが、今度は「オーラルフレイル」に要注意とな? やれやれ、また新たなターゲットが現れたようだな。

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オーラルフレイルって?

聞き慣れない「オーラルフレイル」、「Oh! Ralph! Rail! (マジかよ、ラルフ、鉄道だぜ!)」などと外国人鉄オタのはずはなく、「オーラル(口腔)」の「フレイル(英語frailtyが起源で、虚弱という意味)」ということ。老年期に起こる、噛んだり、飲み込んだり、話したりするための口腔機能の衰えを指すのだよ。若い方は、おじいちゃんやおばあちゃんに教えてあげてほしいぜ。

「オーラルフレイル」、日本では「口腔機能低下症」という病名がつき、2018年度から保険適用に。なんでも、老化のサインでもあり、口まわりの衰えから全身の機能低下につながる危険性があるとかで、国をあげて本気で取り組むのも納得だ。ヒュ~、ブルッちまうぜ!

気になるチェックリストは、日本歯科医師会のサイトの「オーラルフレイル対応マニュアル」パンフレット抜粋版に記載されている。まずは一度やってみてほしい。
「オーラルフレイル」は、4つのレベルで進行し、レベルが上がるほど重度化、最終的には要介護状態につながるという恐ろしいものだ。

第1レベルでは、口腔健康への関心が低下し、歯の喪失リスクが増加。第2レベルでは、滑舌が低下したり、噛めない食品が増加したりして、軟らかいもの中心の食事になって食欲が低下。第3レベルでは、口腔衛生状態が悪化し、噛む力、口唇や舌の機能、飲み込む力が低下し、低栄養状態になって全身の筋力低下を引き起こす。そして、第4レベルでは、咀嚼障害や摂食嚥下障害を起こし、栄養障害や運動障害のはてに要介護状態に。

第4レベルの「要介護」は言うに及ばず、第1レベルですでに「歯の喪失リスク増加」とは! ごはんをおいしく食べ、健康に過ごすためには、寡黙なシニアアサシンになっても、自分の歯をできるだけ長く残したい!

コロナ禍でリスク上昇中

ところが、このコロナ禍が「オーラルフレイル」のリスク上昇に悪影響を与えているというのだ。

口まわりの筋力は、人と会話することや、よく噛んで食べることで保たれているのだけれど、サンスターの調査によると、新型コロナの影響で「会話の減少を実感した」という人が約7割。寡黙なアサシンが増殖中だ。……アサシン違うか。
ほかの筋肉同様、口まわりの筋肉も、動かさないと当然衰えていくわけで、withコロナの自粛生活では、おしゃべりして笑って、といった口もとの動きが減少。マスクに隠れた口まわりは、無意識にゆるんで筋力低下、「オーラルフレイル」リスクが上昇してしまう……これはなんとかしなくては。
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セルフケア+プロのチェックで予防・改善

「オーラルフレイル」の予防・改善、そのポイントは、口の中を清潔に保つことと、加齢で衰える口まわりの筋力トレーニング。対策はいろいろありますぜ!

日本歯科医師会のサイトでは、「オーラルフレイル予防のための口腔体操」として、
・お口、舌の動きをスムーズにする体操
・飲み込むパワーをつける体操
・噛むパワーをつける体操
・滑舌(口唇、舌の巧緻性)をよくする体操
・舌のパワーをつける体操

と、その関連動画が紹介されている。
東京都健康長寿医療センターのパンフレット3ページ目に、オーラルフレイル改善プログラムが紹介されていて、準備体操から、開口訓練、舌圧訓練、無意味音音節連鎖訓練、咀嚼訓練まで、わかりやすくまとめてあるので、ぜひお試しを。
また、前出のサンスターのサイトにも、「気軽にできるさまざまな対策」として、
・マウスウォッシュや、うがい
・パタカラ体操
・よく噛もう
・お風呂で歌おう

と紹介されている。
同時に、年に一度は歯科医の検診を受けることも重要。自分では気づかない口腔内の不調をチェックしてもらってくれ!

リスクひとつひとつを狙い撃ちして、「オーラルフレイル」を予防しつつ、アフターコロナ時代を迎えた暁には、寡黙なアサシンは卒業だ。しっかり口を動かして、会話や食事を思い切り楽しむ日が、今から待ち遠しいんだぜ!
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