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【結論】「緑茶」は新型コロナウイルスに効かない
……はい。結論から言ってしまうと、
1.緑茶が新型コロナウイルスに効くというエビデンス(証拠、根拠)はない。
2.仮に緑茶の成分が新型コロナウイルスに効くというエビデンスがあっても、「ふつうの緑茶」に新型コロナウイルスの予防効果があるとは言えない。
2.仮に緑茶の成分が新型コロナウイルスに効くというエビデンスがあっても、「ふつうの緑茶」に新型コロナウイルスの予防効果があるとは言えない。
ということなのです。順を追って説明しましょう。
1.緑茶が新型コロナウイルスに効くというエビデンス(証拠、根拠)はない。
NITEが、新型コロナウイルスの代わりにA型インフルエンザウイルスで検証する理由は、
直ちに新型コロナウイルスによる検証試験を行うことが望ましいが、実施に当たり相応の期間を要すると考えられるため
という、あくまでも緊急対応。その数行あとには「並行して、新型コロナウイルスによる検証試験の準備を進める」と書かれています。
国の要請で研究を行う施設であっても、新型コロナウイルスでの検証試験には時間が必要な状況。つまり緑茶に限らず、現在、新型コロナウイルスを使って検証試験を行い、「効果がある」と実証された(エビデンスのある)商品なんて存在しないのです。
ちなみに、国立健康・栄養研究所の「『健康食品』の安全性・有効性情報」内にある、「新型コロナウイルス感染予防によいと話題になっている食品・素材について (更新中)」というページにも、1行目に
国の要請で研究を行う施設であっても、新型コロナウイルスでの検証試験には時間が必要な状況。つまり緑茶に限らず、現在、新型コロナウイルスを使って検証試験を行い、「効果がある」と実証された(エビデンスのある)商品なんて存在しないのです。
ちなみに、国立健康・栄養研究所の「『健康食品』の安全性・有効性情報」内にある、「新型コロナウイルス感染予防によいと話題になっている食品・素材について (更新中)」というページにも、1行目に
現時点で、新型コロナウイルスに対する効果を示した食品・素材の情報は見当たりません。
と書かれています。
2.仮に緑茶の成分がコロナウイルスに効く、というエビデンスがあっても、「ふつうの緑茶」にコロナウイルスの予防効果があるとは言えない。
よく勘違いされるのが、その食品の成分が病気などに効いたとしても、その食品自体が病気などに効くわけではない、ということ。食品が効くかどうかを調べるには、含まれる成分ではなく、食品そのもので臨床試験をする必要があるのです。
先の伊藤園のレポートも、よく読むと
先の伊藤園のレポートも、よく読むと
緑茶(緑茶成分)を摂取することにより、インフルエンザに感染するリスクが下がる可能性が示されました。
と書かれています。あくまで「可能性が示された」だけ。極端な話、緑茶そのもので臨床試験をしてみたら、「1日50L飲めば効果がある」なんて結果になるかもしれないのです。
さらに、もう一つ問題があります。
「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)により、体の特定の部位に作用を及ぼしたり、病気の治療、予防などの効能・効果があったりするものは、「食品」ではなく「薬」だと定められています(※)。
つまり、臨床試験をして効能が確認された時点で、それは「食品」ではなく「医薬品」なのです。飲み物(食品)である「ふつうの緑茶」は、ウイルスに対する効果はありません(効果を言えません)。
※ 特定の効果の表示を消費者庁に許可された「特定保健用食品」、含有成分の機能を表示できる「機能性表示食品」もありますが、これらも病名などを記載することはできません。
さらに、もう一つ問題があります。
「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)により、体の特定の部位に作用を及ぼしたり、病気の治療、予防などの効能・効果があったりするものは、「食品」ではなく「薬」だと定められています(※)。
つまり、臨床試験をして効能が確認された時点で、それは「食品」ではなく「医薬品」なのです。飲み物(食品)である「ふつうの緑茶」は、ウイルスに対する効果はありません(効果を言えません)。
※ 特定の効果の表示を消費者庁に許可された「特定保健用食品」、含有成分の機能を表示できる「機能性表示食品」もありますが、これらも病名などを記載することはできません。